喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

城川と平礒のお盆行事

2011-08-16 | ブログ
 今年は、妻の実家の初盆だったため、奥伊予城川町にいました。

 お盆は、精霊会(しょうりょうえ)、盂蘭盆会(うらぼんえ)などともいいます。
精霊とは、ご先祖の霊のこと。
盂蘭盆会とは、「逆さにつるされた苦しみを救う」という意味。

 仏教から生まれた盂蘭盆会の行事が日本に伝わり、
独自の祖先信仰とまじりあい、日本ならではのお盆の習慣がつくられたようです。

 私のふるさとの平礒と妻のふるさとの城川とではどんな違いがあるのか興味がありました。
 城川では、13日の夕方、精霊迎えといってご先祖の霊が迷わずに帰って来られるようにと、
家の門前で迎え火を燃やしていました。
 平礒では、迎え火はしていません。

 送り火は、両方15日の夕方にします。
城川では、迎え火と同じ家の前で。
平礒では、集落の境の場所で。
送り火を燃やして、先祖の霊の帰り道を明るく照らして送り出します。

 また平礒ではそれとは別に、14日の夕方に亡霊(もうりょう)という精霊送りをします。
浜に行って、輪になり時計回りに太鼓と鉦(かね)をたたきながらお唱えをするのです。
それが終わると笹舟を作り海に流します。
「この舟に乗り、無事に西方浄土へ帰ってください。」
という意味でしょう。

 全国的には、盆棚に供えた野菜や果物などを川や海に流す「精霊流し」や
灯籠にろうそくを灯す「灯籠流し」があります。
 
 佐田岬半島の大久(おおく)や川之浜(かわのはま)では、
お精霊船(おしょろぶね)をつくり海へ流す精霊流しをしています。
 佐田岬半島のお盆行事は各地区独特なものがあり、
国の選択無形民族文化財になっています。

 このような田舎の貴重な風習を引きつぎ、残していくことは
私たち田舎に住む者の大切な役割だと思っています。

 写真は、昨年の平礒の亡霊(もうりょう)の様子です。