高校生の頃友達と、女の子に「いい人」と言われたらその子とは脈なし
やとよく話していた。
それは、女性が男に対して使う時の「いい人」は、よく言われるように、
その前に「どーでも」がついていることがほとんどで、場合によっては、
「死んでも」くらいの勢いの言葉がついていることさえあるからで、ようする
に、いい人=アホ・ボケ・カスと言われてるとのと同じということやと。
それから30年以上経った今、対象が女の子から女性に変わり、そして
男性が加わっても、その時の自分達の論にはいささかの揺らぎもない。
50歳の足音が忍び寄ってきた今になってもし、いい人なんて呼ばれる
ことがあったら、未だに自己が出来上がっていないのと同じで、北朝鮮
に「好きです」と言われるくらい、終わっていると思う。
男は、「冷たい」とか「変わってる」とか「自分勝手」とか言われてナンボ
やと思うのだ。
そんな持論に向かって努力してきた甲斐あって、最近はもちろん誰かに
「いい人」などと呼ばれたことはない。会社の人にも友達にも、新地の
ホステスさんにも。
その代わりと言ってはなんやけど、最近皆がアホ・ボケ・カスのストレート
を遠慮なく胸元に投げ込んでくるようになり、俺もそのあたりの球には
手も足もでない。たまには危険球もある。
自分が目指した道とはいえ、これはなかなかイバラの道ですぞい。