僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

51対49

2006-08-20 | Weblog

現文化庁長官の河合隼雄さんが重篤だというニュースがあった。
俺にとっては文化庁長官という立場ではなく、一作家として認識して
いた方。
大学時代は数学科に籍をおき、さらにはユング心理学(分析心理学)
の権威で、日本に初めてユング心理学を紹介した方でもある。
その多彩な観点から書かれた本はとても面白くて、今まで全てまでとは
いかなくとも結構な数を読んだ。

特に対談ものでは、その見識の広さから相手の良さを引き出すのがう
まくて、村上春樹さんや白州正子(最近話題の白州次郎の奥さん)
さんとの対談では、この対談を読んで村上さんや白州さんのことがかな
り理解できるようになったくらい。

もちろん、対談以外の書物も面白くて、「こころの処方箋」という本に
はきれいごとではない“生きた”
名言がいっぱい詰まっている。

その中でも俺は、
「心の勝負は、51対49のことが多い」
という言葉がとても好きだ。

人が何かを決断する時というのは、誰でも苦悩の連続であり、結果
だけを見て判断するというのは間違ってるし、勝負をあせることもない、
ということやねんけど、これを短い言葉の中で見事に言い表している。

そんなさすがの河合さんも今まで経験されたなかった人生で最大の危
機に晒されている。非常に厳しい状態らしいが、そこはきっと51対49
でこの戦いに勝ってくださると信じたい。