他人がとてもいいものを持っていると、それと同じものが欲しくなるというのはごく
普通の感情。でも同じものは絶対欲しくない他人が持ってるいいものというのも
あって、それがギター。まぁ、この場合の他人というのは、全く見ず知らずの他人
ではなく、バンドメンバーのように近い存在の他人のことやけど。
ギターの場合、「いい音」というのに絶対的な判断基準なんかなくて、ギターに
よって音が違って、それぞれのギターが“それしか出せない”音を持っている。だか
ら、いくらいい音がするギターでも、自分の近くに1台あればそれ以上にあっても
仕方ないので、どうせ持つのなら、他人のギターにはないそのギターだけが出せ
る音のするギターが欲しいということやねんな。
だから俺の中でいい音がするギターといのは、バイオリンのストラディバリウスみた
いにそれ一台でどんな楽曲も弾きこなせるというものじゃなくて、何台も“いい音”
がするギターが存在するわけよ。
そうすると、今欲しいギターを買ったところで、また次のギターが欲しくなることは
目に見えている訳で、この欲望はギターを引き続けていられる限りずっと続く。
贅沢は敵だというが、自分を輝かせたいのなら、贅沢をしたいという欲を失った
ら終わり。
ということで、どうぞお嫁さま、せめて欲を持ち続けられるようにほんの一台だけ
でも買ってみてやろうというふうにお考えいだだけませんでしょうか。