日頃保険会社に勤めていることもあり、家族が亡くなったという電話を受けることは日常茶飯事なのですが、いつも「ご愁傷様です」と言えない私です。会ったことも名前すら初めて聞く人の死を、決まり文句だからと薄っぺらく言うのはむしろ相手に失礼な気がして・・・。なぜなら正直言って、全く実感できないし、その人の死を悲しむことも残念だとも思えるわけない。そんな私の言葉など、普段ふざけて言う「それはご愁傷さまだったねー」というのとなんの変わりもないじゃないかと思うからです。
この大震災に対し、「お見舞い申し上げます」とか言うのは簡単だけど、私が言うとあまりに軽いので言えない。今回被害に遭った地方に親戚や友人がいるわけではないが「復興にどれくらいかかるんだろう」とか「これだけ広範囲だと救援物資だけでなくこれからどこにどう住居を供給すればいいのか、相当難しいな・・・」とかは思うし、せめて募金することしか出来ない。
石巻市、塩竈市、女川町は数年前友人と旅行した思い出深い土地なので、そこが甚大な被害を受けたと聞くと、歩き回った場所を思い出して、今どうなっているんだろうと泣けてきてしまう。特に石巻は友人と石森章太郎のキャラクター像めぐりをした町で、そこが今どんな状態なんだろうかとか、駅前に居た人懐こい野良猫はどうしてるだろうとか、女川で泊まった海辺の宿はどうなっただろうとか。ただでさえ涙腺が弱いのでテレビを見ては泣き、新聞を読んでは泣いてしまって我ながら情けない限りです。
原発については、非常用電源のディーゼルエンジンが水に浸かって壊れたとか聞くと、あほちゃうか、という気がしましたが。去年だったか台風で洪水が発生したとき、どこかでやっぱり排水ポンプのエンジンが水没したので壊れて、いざというとき役に立たなかったというニュースをテレビでやっていたのに、臨海部に建ってる原発は地震による津波も想定しているはずだろうに、誰もこのニュースを見て「対策採らなきゃ」と思わなかったんだろーか。あほ過ぎる・・・。
ともかく、企業も個人も、できるだけのことをするしかない。私はボランティアに行くことはできないので、金しか出せないけど、自分がそうなったら一番必要なのは生活再建のための金だけだと思うから、それが悪いことだとは全然思わない。そこそこ収入ある勤労者が1人1万円寄付すれば、1000万人で1000億だ。けっこうな金額になるじゃないか。同情するより金を出せ、だ。