フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

あ・・・当たってしまった・・・

2011年11月06日 | 人生2度目のローン(涙)への道

 あ・・・当たってしまった・・・
 何が、というとこの前のブログで「夜も眠れない」と悩んでいた件だ。あまりに悩んだため、「もういい・・・。こういうときは運を天にまかそう。当たれば神様が私にそうしろ、ということだし、当たらなければその必要はない、と神様が言ってるんだ」という、はなはだ投げやり・・・つーか、もう考えたくない、という精神状態になってなんとか日々を過ごしていたのだが、さっき「おめでとうございます。抽選、当たりました」という電話が来てしまったのだ・・・。
 話を遡れば3月11日、あの大震災後、ニュースで津波の映像を見続けたり、様々な東海大地震が来た場合のシミュレーション番組をいくつも見たりし、私は真剣に「自分が昼間会社にいるとき」「夜や休日、自宅にいるとき」地震が来て津波が来たら(うちは海っつーか河口から2キロ程度の距離・・・)、とシミュレーションして、「私が家にいるときはともかく、会社に行っているときに来たら、猫が助からない・・・」「家にいるとき来て一緒に逃げられたとしても、5匹の猫と避難所生活なんてとても無理」実家も液状化でやられるか、古いので潰れてしまうだろう。そしたら猫と親をどこに避難させるか、と考えたとき、引っ越すしかない・・・という結論になったわけだ。
 そこでちょうど、前から「いい物件だなあ・・・。さぞかし高いんだろうなあ・・・」とぼんやり見ていたマンションのモデルルームに、とりあえず参考に値段を知りたくて行ったら・・・1部屋だけ、条件があまり良くないので(目の前が高架の道路で、眺望や騒音の点でイマイチ。しかし私は引きこもりなので、眺望なんぞどーでもいい・・・)格安の部屋がちょうど売り出し中だったわけだ。1つ上の階の同じ部屋より400万も安い、と言えば(その上だと500万、さらに上層階だと800万違う)どれだけ格安かおわかりだろう。安いだけに(いや、安いと言ってもそのマンションの中で安いだけで、普通のマンションなら平均的な値段・・・)すでに3組申込みが入っていて、抽選になるのが確定していた物件だった。
 私の求める条件をほぼ満たし、この値段の物件は二度と出ないだろう・・・と思った私は、とりあえず実家の両親に「家を売ろうと思うんだけど・・・」と相談(というよりすでに「売るよ」というお知らせだが・・・)に行った。なぜなら私の家の建つ土地は両親名義。家を売る=土地も売る、というわけで・・・しかもつまりは土地代は私に贈与してくれということなわけで・・・。
 案の定、父親はムッとして「今売ったって、このご時勢、中古の家なんか価値ないし、土地だって値下がりしてたいした金額にならず大損だぞ!それに伊勢湾の奥なんだから津波なんかたいしたことない。来てもあの辺りはそんなに低くないから大丈夫だ。だいたいお前、やっとローンが終わりそうなのに、またローンを抱えるつもりか!」と怒った・・・。確かに、東海大地震が起こらなかったり、津波が予想よりたいしたことなければ、金の無駄遣いもいいところだ・・・。しかし、私は保険会社勤務。保険というのは万一に備えるものであって、何もなければ損をする仕組みだ。それでも保険をかけるのは、「絶対に万一の事態など起こらない」とは絶対に言えないからだ、という考えが骨の髄まで浸透しているのだ。損はするかもしれない。でも万一本当にそうなってしまったときの損害の大きさを考えると、損をしてでもそれ以上のリスクは負うべきではない、と思うのだ。
 ・・・と思いはするのだが、親の反対やローン返済のことを考えると、時間が経つにつれ私も「老後の金が・・・」「いや、老後に家が津波でやられたら、唯一の財産という土地も家も失った上、もうローンなんか組めなくてホームレスだ・・・。だったらまだローンが組める今のうちに・・・」「あー、でもマンションだとローン終わってもずっと管理費や修繕積立金を払い続けるんだよなあ・・・」「家がなくなったらどのみち賃貸だ・・・。公営住宅だと猫飼えないから民間。家賃高いから一緒か・・・」「でも運が良ければ生きてるうちに地震来ないかも?」「いや、阪神だって東北だって来たんだ。東海に来ないわけがない」「引越し面倒・・・。それにもう10年以上住んだこの家に愛着もある・・・」とぐだぐだ悩み始めてしまった。
 その上倍率が高いためマンション業者も、「上の階はまだ売り出していないが、今回の抽選前なら確定で幸田さんに売ります。もし今回の抽選にはずれた後で上の階に申し込んでも優先にはできませんので、今回落ちた人も何人かは申し込んで来るでしょうし、次の募集で新たに申し込む人とで、また同じくらい厳しい抽選になりますよ」と持ちかけてくるしで、夜も眠れないほど悩んだわけだ。(というのは、私は間取り変更を希望していてその工事費用もかかるということで、上の階に移るならその費用のうち××万円までなら値引きしてもいい、という条件を出されたからだ・・・。まあ「せめて工事代金くらい値引きしてくれ」と私がごねたからだが)
 グダグダと悩み続けた私はとうとう、「どうせ抽選なんだしな。これまで20年以上買い続けた宝くじでさえ最高3000円しか当たったことのない私だ!4倍の倍率は決して低くない。これで当たれば神様が買え、と言っているのだし、はずれればこの家で人生を終えろ、ということだ」と考えることにした。開き直りともいうが・・・。
 そして抽選日の今日、建築会社の本社で12時に行われたはずだが、1時になっても2時を過ぎても電話が来ない。これははずれたから担当者が電話しにくくてかかってこないんだろうな・・・と思い始めたとき、携帯が鳴った。
「幸田様、○○会社の××です。お世話になります。ご連絡が遅くなりまして・・・」
「あー、どうもお世話になります」
 だめだったろうに、どうでした?と期待したように訊くのはちょっと気が引けて言わないでおいた・・・。
「幸田様になりました!私も今、連絡もらいまして・・・」
「・・・は?当たったんですか?」
「抽選、当たりました!おめでとうございます!」
「まじで?まじで当たったんですか?」
 思わず普段の言葉使いになってしまうワタクシ。「当たったんスか?」と言わなかっただけ、ちょっとは理性が残っていた・・・。
「はい!私もいろいろご提案しましたが、結果的に最初のご希望通りにおさまりまして・・・。今、他の担当者がごめんなさい電話をしてるのを聞いてましたが、やっぱりすでに上の階に申し込むという方も出ているようですよ。良かったですね!」
「あー、そうですか・・・。どうもありがとうございました」
「予定通りご契約いただくということでよろしいですか?ありがとうございます。それでは変更工事の見積もりを詳細に出させていただきますので、よろしくお願いいたします」
 ・・・というわけで、運を天にまかせてみたら、マンションを買うことになってしまった・・・。
 と言ってもマンションが完成するのはさ来年。準備期間があるのでそれまでにいろいろやらなければならないことが山積みというか、準備期間があって良かったと言うべきか。まずはぐずぐず返しているローンの完済だ・・・。
 しかし、決まったものの、いろいろ考えるとやっぱり不安が押し寄せてくる。さっきネットで手付金を振り込んだばかりだが(一気にウン百万円だぜえ!)、すでに胃が痛い・・・。私は2年後、さまざまな困難を乗り越え無事にマンションへ引っ越せるのか?それまでに決心が揺らいでキャンセルしたりしてないか?(・・・)・・・途方に暮れるワタクシでございます・・・。