フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

山菜は、採るものでも買うものでもなく貰うもの

2020年05月08日 | トドとポニョの日常茶飯事in雪国
 春はタケノコの季節・・・と言っても、都会生まれの都会育ちの私は、生タケノコがスーパーに売っていても買おうとは思わない。灰汁抜きめんどいじゃん!しかし夫が「季節のものは食べないと」と言い、自分で煮ると言うので買った。もちろん夫が米ぬかで灰汁抜きをし、さつま揚げ(地元の業務スーパーでは「天宝揚げ」という名なのだが、これが商品名なのか新潟でのさつま揚げの一般名なのかわからん!)やニンジンと一緒に「創味のつゆ」で煮てくれた。
「やっぱり季節のものは美味い」と自画自賛する夫。しかし、春のタケノコ料理といったらフキと一緒に煮たやつでしょう!と愛知県出身の私は思った。名古屋市の隣の東海市はフキの産地なので、毎年春にはスーパーに長さ1メートルもあるフキがどどーんと並ぶ。しかし、新潟では全くフキの姿を見かけない。
「ねえ、こっちではフキは食べないの?」
「あんまり食べない」
 それが彼の家だけの話なのか、新潟県民一般なのか、わからん・・・。ようやくイオンで長さを20センチくらいに切りそろえてパック詰めされたフキ、しかも赤札張られた売れ残りを見つけたので、それを買って残りのタケノコとシーチキンと一緒に煮た。これこれ、このほろ苦さが春の、かつ我が家の母の味よ
 先日は、彼が会社の接待に使っていたバーのママが、「休業で暇だから山へ行ってきた」と大量の山菜をくれた。山ウド、木の芽、うるい。どれも都会人には馴染みがない。木の芽とは山椒の芽ではなくこの地方では「アケビの新芽(つる)」のこと。さっとゆがいて醤油か麺つゆでいただきたいが、別居結婚中に「都会の人は食べたことないでしょう」と名古屋まで持参した夫は、マンションの台所で麺つゆと卵の黄身で和えていたっけ。
 山ウドは、地下で育てた真っ白なウドではなく、自生しているので緑色。私は白いウドすら食べたことがなかったので、まして緑の山ウドの料理法なんて知らん!すると夫が「またタケノコ食べたい」と2本買ってきて、今度はタケノコと山ウドの皮とニンジンと天宝揚げで、キンピラを作ってくれた。美味い・・・。しかも、彼が料理している間、日本酒をちびちびやりながらテレビを見ていた私のために、ウドの根元の茎の皮をむき、中の柔らかいところを味噌あえにして「つまみにしなよ」と持ってきてくれた。気の利く旦那だなあ・・・!
 山菜と言えば、隣の(空き家の)隣の家の前を犬の散歩で通った時は、「もらったから少し持っていきなよ」とこごめをもらった。ゼンマイのようなシダっぽい葉先がくるくるっと巻いているもの。これも茹でてお浸しにしたり天ぷらにして食べるらしいが、私は気づいてしまった。空き家の庭に大群生してるじゃん・・・!食べれると知っていれば、もっと早く(もう大きくなってしまった)いただいたのに・・・!
 さらに、いつも自家製野菜をくれるお向かいさん。「もらったけど、灰汁抜きが面倒だから」とタケノコをくれた。夫と私は内心、(しまった、タケノコ2本も買うんじゃなかった!)と思ったが、ま、食べればいいのでありがたくいただいた。その畑の奥に、雑草のように生えているフキを見つけた私は、「フキは食べないんですか~?」と訊いた。「フキはあんまり食べないねえ。下ごしらえも面倒だし。それに作ってるんじゃなくて勝手に生えてるだけだし」「そうなんですか。名古屋だと結構食べますけど」などと話していたら、そのあと奥さんが「フキを食べるって聞いて」と刈り取って持ってきてくれた。ありがたい・・・。
 夫は「なんでももらうんじゃない」と言うが、「いいじゃん、いつもお土産とかお菓子、持参してるじゃん」と思う。そんなわけで、春はいつにもまして、我が家の食卓は貰いもので成り立っている・・・。