華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

井の中の蛙大海を知らず

2014年04月26日 23時08分59秒 | Weblog
しょーもない男気からまた早起きとなった今朝。でも「3時間だけやし!」という事実が気を軽くさせたのか、目覚めはよかった。

精神科でももれなく投薬から開始。一般病棟では各部屋に薬だながあり、そこから取り出して患者さんに薬を渡す。一方で精神科ではナースステーションに全患者さんの薬があり、患者さんが薬を取りに来るという違いがある。約20人前後が朝食が終わるとずらっと列を成すので、その間の1時間ほどは忙しい。3人でやってちょうどいいぐらい。怒涛の投薬を終えたらすでに9時過ぎ。それから特筆すべきことを看護記録に記していたらあっという間に3時間経っていた。短期集中のなかなか良い仕事ぶりやった(自画自賛)。

帰りがけにひとつだけドラマ。
患者さんの中に医学生がいる。あと1年で卒業というところでうつ病となり入院中。この女性がなかなか曲者で、ヘタに医学の知識があるがゆえに治療方針や看護師の態度にやたらと口を出してくるようだ。先日もひきつけを起こした患者さんのケアに手出し・口出しをしようとしたらしい。まぁ「手を出すな!」と追い出されたようやけど。
今朝。ドクターの指示で薬の種類が変更されており、それが不服だったようで、話をしたいとナースステーションにやってきた。鼻息荒く話を始めたのはいいけど、担当の精神科医は土曜日なのでお休み。仕方ないので当直のドクターに説明してもらうことに。このドクターは数名いるドクターの中でも優しくて患者さん思いの女医さん。いやな顔ひとつせずに病棟まで来て患者さんと病室に行くこと数分。不快そうな顔をしてナースステーションに帰ってきた。こともあろうか患者さんはドクターに向かって「Idiot(このアホ)!」と言い放ったらしい。ドクターはその言葉が放たれてすぐ「そんなことを言われる筋合いはない」と会話を中断して部屋を出たという。時間をおかずして患者さんもナースステーションに再度やってきて、自分の失態に気づきつつも怒りが収まらないようで、今度は看護師に悪態。最終的にはリーダーに諭され、落ち着きを取り戻した。ドクターもリーダーも疲れた顔をしていた。
この女性は、医学生=特権階級と考えている節がある。何でも知ってないといやで、思い通りにことを進めたがる。しかし、私たちからしたら患者さんのひとり。医者だろうが社長だろうが扱いは同じ。実際本人が社会に出て患者さんを見るようになったらそれがわかるんだろうけど、学生さんの間はまだわからないのかなーなんて思いながらこのやり取りを眺めていた。うつ病という名目で入院しているけど、この女性に限ってはストレスからの解放という意味合いが強いこの病院生活。あたられるこっちはたまったもんじゃないけど、そのうち丸くなってもらえたら、とは思う。
ところで。
このように患者さんの中にはドクターや看護師に悪態をついたり怒鳴ったりする人がままいる。“お客様は神様です”精神が染み付いている私はそんな場面でも「すみません」と言ってしまいそうやけど、オーストラリアではそれらに関する寛容性はゼロ。それまでどんなに優しい言葉で接していても、ひとつ地雷を踏んだら「そんな言葉、使ってもいいと思ってんの(怒)?」となってケアを放棄される(無論完全にというわけではない)。患者さんと看護師は対等。患者さんにも謝罪が要求される。日本ではどういう対応になるのかわからないけど、理不尽な患者さんの要求・態度に毅然と応えるオーストラリアのこの雰囲気を気に入っている。まだまだ根性が足りないので「すみません」とアッサリ言ってしまいそうやけど、なめられないように誇りを持っていかんとなぁ。

仕事を終えて家に帰ってもまだ10時過ぎ。なんだけどなんか調子が狂っちゃって、結局ダラダラ。映画を2本見て、3本目で寝てしまっていた。その間にゴソゴソと冷蔵庫を漁ってお腹を満たしたので料理はせずじまい。Dも適当に食べていた。生産性の低い一日になったなぁ。まぁ、本来は休みやってんからいいか。
明日は午前シフトのはずが「午後、精神科でどう?」と打診。早起きは嫌いなので「いいですよー」ってことで明日も精神科勤務になった。日曜日やし、きっと忙しくはないやろう。
中途半端に寝てしまった上に、先ほど紅茶を飲んでしまった。コーヒーは私の睡眠にまったく影響しないのだけど、紅茶はするときがある。さて今夜はどうかしら? いい具合に眠いのでさっさとベッドに向かうとしよう。
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