華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

報われない

2018年07月21日 22時51分11秒 | Weblog
今日も仕事は午後から。
土曜日なので、今朝はDも一緒に散歩へ。隣町の広場まで車で行き、ワンコをひとしきり走らせたあと、近くの海辺のカフェでコーヒーを飲んで一服。遊歩道を散歩してから帰ってきた。なーんでもない瞬間だけど、こういう時間が大切。

先日、急死した知人の伴侶。死因は心筋梗塞と判明した。少し前から症状が出ていたはずだけど、健康で病気一つしたことのないその人は症状を深く受け取らなかったと思われるとのことだった。
故人も知人も40代。10代のお子さんもいる。親しい人たちによると、知人はなんとか現実を受け止め、強くあろうとしているらしい。本当に胸が痛い。
たいていの人には明日が訪れるけど、それが100パーセントではない。将来のことも考えつつではあるけど、今を大切に生きようとしみじみ思う。

さてお仕事。
今日もインチャージ。
患者さんのデータも頭に入っているし、入退院もない。今日はよゆー!と思って過ごした。実際、久しぶりにちゃんと休憩をとることができた。
ただ、食事から戻ると、軽い認知症で、慢性閉塞性肺疾患をわずらう患者さんが呼吸困難を起こしていた。病歴もあるので、すわ救急に連絡!ってことはないけど、とりあえずは呼吸困難とそれから来る不安などを取り除くのが優先。ちょうど夜の投薬の時間だったので、フロアスタッフには通常業務に戻ってもらい、私はそばについていることにした。
問題はこの患者さんがケアを拒むこと。酸素を投与しようとしても「そんなもん効くかいっ!」と鼻につけるチューブの装着を嫌がる。「効くから」「楽になるから」といっても、認知症と呼吸困難から来る不安や苛立ちと、そしておそらく元々の性格のせいで、そりゃもう乱暴になる。私はゼーゼー言ってベッドに腰かけてる患者さんの前に膝をついて話しかけていたのだけど、「どっかいけ!」と腕を蹴られた。

もうね~、だったら助けを呼ばずに勝手に苦しめよ!って思う。看護師としては言ってはいけない言葉だけど、こっちだって天使じゃないんだよ。

もちろんやり返すわけにはいかないけど、さすがに腹が立ったので、すっと立ち上がって「われ、何しとんじゃ」とすごんでおいた。そしたら「うわー、暴力!」とかわめいていた。なんでやねん。

看護師は自分の身を守ることが最優先とされているので、蹴られた時点で病室を去ることも許されたはずだけど、相手は軽い認知症。そして明らかにつらそう。こっちがこらえるしかない。根気よく説得を続けて、なんとか酸素投与。そして呼吸困難をさらに悪化させる肋骨の骨折に対し、オピオイド鎮痛薬も投与。しばらくして楽になったようで、笑顔で話すぐらいにまでなった。だけど、少し楽になったらまたチューブを外して、また「どっかいけ!」「お前の顔なぞ見たくねーわ」とゼーゼー言いながら罵詈雑言。
鎮痛剤がこの後の呼吸を助けるはずなので、あとはフロアスタッフに任せて病室を出た。事実、楽になったようで、しばらくして部屋をのぞいたらおとなしくベッドに入っていた。あぁ、やれやれ。

これが起きたのが夜の投薬の一番忙しい時間帯。私はフロアを助ける必要もあれば、すべての患者さんに危険ドラッグの投与もしなくてはならない。8時にはすべてを終わらせるぞー!と思っていたのに、結局作業を始めたのが8時。思うようにはいかないもんだわ。

申し渡しまでにはちゃんと作業を終わらせて、無事にシフト終了。今日は制服の注文や、研究に進むための調べ物をしようと思っていたのに、全然できなかった。あ~ぁ。明日もインチャージ。明日こそはそんな時間をとれるかしらん。

帰宅。
Dは私の顔を見たらすぐにベッドに行く。そしてすでに高いびき。父ちゃんっ子・チャーリーはいつもDと一緒にベッドに行く。すこーし母ちゃんっ子のペッパは今、私の座るソファの下で丸まっている。
明日はこの冬最も冷え込むらしい。予想気温ゼロ度。どんな朝になるのやら。

そろそろ寝よう。
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