立春のあとの柔らかい日差し
廣島の空も優しい青
その下の墓石に
新しい名前が彫られていた
平成22年12月24日没
中谷好子 98歳
あなたに始めてお会いしたとき
全身から歓迎の温かさを感じて
すぐに打ち解けた
それから40年余
小さな諍いすらなく
また誤解もなく
私の行動の全てを
大きく、広く受け止めてくれ
なにもかも許してくれた
あなたは80までは
私の着物の全てを縫ってくれた
「此処一分、此方は5分つめて」
とややこしい注文にも
面白がって
縫ってくれた
90を越したら
会うたびに私に手を合わせ
「比佐子さんとはご縁があるんじゃね」
と子供のような無邪気な笑顔をくれた
そして98歳の冬
自分のベットで
夜お休みといったまま
静かに朝立ち去ったと言う
今日の廣島は温かい
お墓にお花を生け
線香を手向け
好きだった焼酎のお湯割を供え
過ぎし日のアレコレを思い出す
何もいうわけではなく
あなたの行動が全てで
居心地の良い関係であった
淡々としたお付き合いなのに
心に残るものが深い
「おかあさんありがとう」
小さくゆっくりつぶやいた
廣島の空も優しい青
その下の墓石に
新しい名前が彫られていた
平成22年12月24日没
中谷好子 98歳
あなたに始めてお会いしたとき
全身から歓迎の温かさを感じて
すぐに打ち解けた
それから40年余
小さな諍いすらなく
また誤解もなく
私の行動の全てを
大きく、広く受け止めてくれ
なにもかも許してくれた
あなたは80までは
私の着物の全てを縫ってくれた
「此処一分、此方は5分つめて」
とややこしい注文にも
面白がって
縫ってくれた
90を越したら
会うたびに私に手を合わせ
「比佐子さんとはご縁があるんじゃね」
と子供のような無邪気な笑顔をくれた
そして98歳の冬
自分のベットで
夜お休みといったまま
静かに朝立ち去ったと言う
今日の廣島は温かい
お墓にお花を生け
線香を手向け
好きだった焼酎のお湯割を供え
過ぎし日のアレコレを思い出す
何もいうわけではなく
あなたの行動が全てで
居心地の良い関係であった
淡々としたお付き合いなのに
心に残るものが深い
「おかあさんありがとう」
小さくゆっくりつぶやいた