山崎青樹さんと初めてお遇いしたのも柿生の家であった
その日青樹さんはやや興奮した上ずった声で
「あいだま持って帰りましたよ」
と父上の斌さんに報告している声を障子越しに聞いていた
「あいだま」ってなんだろう?
恐る恐る境の障子を開けると
「やあーー父の年若いお弟子さんね、雑誌記者のーー」
とニコニコ笑いながら語りかけてくれた
青樹さんが新聞紙に包んで持っている紺色の炭のような玉が気になり
近寄って許しもなく手にとって見る
「きゃーなんですか手に色がついちゃった」
「これから藍色を染めるんですよ」
「ほ~~染料ですか」
「7月号はこの藍染をテーマにしようと思って探したんだよ」
「阿波まで行って手に入れてきました」
「阿波?」
「四国の徳島ね」
「なんでそんなに遠くまで行かないと手に入らないんですか?」
「まあーー座ろうか」
ここの家は座ると酒だ。でもおつまみが美味しい
「阿波は誰が藩主だった?」
(ああまただ質問好きのおじさんになった!)
「蜂須賀公ですよね」
(豊臣秀吉の家来でもとは盗賊だった蜂須賀クン私は結構彼のフアンだからよく知ってる)
その蜂須賀公が潘の政策として吉野川の反乱を防ぐために藍草を植えた
(なぜならというのは話が長くなるので今回はスルー)
つまりは保存させるために藍玉を作りそれを諸国に売って歩いた
なんとここ阿波だけの産物として独占企業をやってのけたのだ
藍玉を売り歩く商人は札所も検問には引っかからないように幕府が保護
そして各地に紺屋という藍染をする工房を作り染職人の教育もしたという
今でも徳島に残る藍商人の家屋は素晴らしい
いかに富豪だったか偲ばれる
まそれはさておき
今でも紺屋町という町名が残っているところもあるが
紺屋はだいたい一箇所に何軒もあって浴衣や作業着手ぬぐいなど染めていた
庶民の色として愛された藍染
特に虫が寄ってこないとかマムシも避けるとか言われ
作業着には絶対藍染めを着るという習慣があった
紺屋はとにかく繁盛をしたらしい
「ジーンズがだいたい藍色ですけどねあれも藍染ですか」
(途中でいつもおかしなことを質問する私)
「あれはinndeigoといって顔料系になるかな、昔はアメリカでも藍で染めていたそうじゃ」
「顔料というのは染料と違うんですか?」
正確には皆染料だけど植物染料とは違う
「コールタールみたいなものですか?」
「うんたとえは良くないけど乗せる染料じゃね」
わかったようなわからないような会話を切り上げ
その藍玉をこれからどうするかのお二人の会話になる
(つづく)
その日青樹さんはやや興奮した上ずった声で
「あいだま持って帰りましたよ」
と父上の斌さんに報告している声を障子越しに聞いていた
「あいだま」ってなんだろう?
恐る恐る境の障子を開けると
「やあーー父の年若いお弟子さんね、雑誌記者のーー」
とニコニコ笑いながら語りかけてくれた
青樹さんが新聞紙に包んで持っている紺色の炭のような玉が気になり
近寄って許しもなく手にとって見る
「きゃーなんですか手に色がついちゃった」
「これから藍色を染めるんですよ」
「ほ~~染料ですか」
「7月号はこの藍染をテーマにしようと思って探したんだよ」
「阿波まで行って手に入れてきました」
「阿波?」
「四国の徳島ね」
「なんでそんなに遠くまで行かないと手に入らないんですか?」
「まあーー座ろうか」
ここの家は座ると酒だ。でもおつまみが美味しい
「阿波は誰が藩主だった?」
(ああまただ質問好きのおじさんになった!)
「蜂須賀公ですよね」
(豊臣秀吉の家来でもとは盗賊だった蜂須賀クン私は結構彼のフアンだからよく知ってる)
その蜂須賀公が潘の政策として吉野川の反乱を防ぐために藍草を植えた
(なぜならというのは話が長くなるので今回はスルー)
つまりは保存させるために藍玉を作りそれを諸国に売って歩いた
なんとここ阿波だけの産物として独占企業をやってのけたのだ
藍玉を売り歩く商人は札所も検問には引っかからないように幕府が保護
そして各地に紺屋という藍染をする工房を作り染職人の教育もしたという
今でも徳島に残る藍商人の家屋は素晴らしい
いかに富豪だったか偲ばれる
まそれはさておき
今でも紺屋町という町名が残っているところもあるが
紺屋はだいたい一箇所に何軒もあって浴衣や作業着手ぬぐいなど染めていた
庶民の色として愛された藍染
特に虫が寄ってこないとかマムシも避けるとか言われ
作業着には絶対藍染めを着るという習慣があった
紺屋はとにかく繁盛をしたらしい
「ジーンズがだいたい藍色ですけどねあれも藍染ですか」
(途中でいつもおかしなことを質問する私)
「あれはinndeigoといって顔料系になるかな、昔はアメリカでも藍で染めていたそうじゃ」
「顔料というのは染料と違うんですか?」
正確には皆染料だけど植物染料とは違う
「コールタールみたいなものですか?」
「うんたとえは良くないけど乗せる染料じゃね」
わかったようなわからないような会話を切り上げ
その藍玉をこれからどうするかのお二人の会話になる
(つづく)