9月は上代絽
この生地は今はない、まったくない
紬糸を使って絽織にしてあるのだが絽目が混んでいるのと同時に糸がブツブツしているので
単衣の時期に着るのにぴったり
単衣だ袷だ薄物だと日本の着物にはその季節に合わせた生地があるのだという
誰に聞いても
「昔からそうなの」
という言葉しか返ってこない
母に聞くのが一番いいのだが絶対に嫌!(何突っ張ってんだか)
上の姉は茶道の世界に身をおいているので
少しはまともな答えが聞けるかもしれないとこれまた浜松まですたこら出かける
学生時代は夏休みによく行っていたので姉のお姑さんの大師匠は大歓迎
「あら比佐子ちゃんまずはいっぷく」と座らされお薄をいただく
一応この時代は娘にはいろんな稽古事をさせるのが母親達の義務だったので
お茶とお琴はいやいややったけど身にはついている
姉は私の用事を知っているので早くお茶室から連れ出したいのだが
鴨になっている私はなかなか開放されない
腹を決めてお姑さんに質問
さすが茶道教授スラスラと着物と季節の関わりを説明してくれる
「ただしお茶席ではね、ということで一般とは少し違うかもしれないでも参考にしてね」
「ハイハイ嬉しいです」
しかし上代絽についてはご存じなく姉はそ「ういうのを着てみたいわね」などとのんびりいう
一応の衣替えのときとそれぞれのTPOについても教えていただき
着物っていうのはなんとややこしい
つくることと、着ることの落差のようなものを感じて
この底しれない着物の世界に私は入っていっていいのだろうか
と何か気が重くなってしまった
しかし高崎の青樹さんと色の話をし始めるともう楽しくて仕方がない
(詰まりはまだ自分から着物を着ていないので着る楽しみが全くわかっていないのだ)
その上代絽にクリのイガイガを染料にして染めて
品の良いベージュの色を出し青樹さんが月とすすき萩を手書きすることになった
月は刈安の黄色 萩は蘇芳でだしたえんじ色の花 葉っぱは山藍と刈安で出した緑
着物は柄にも季節を出していくものだと知った
「どうして?」
日本人の季節感の感受性だけではなく、季節の柄はその時のエネルギーを身につけることになるので
体が喜ぶという(ほんまかいな)
この時代に既に波動とか素粒子、電子という言葉がポンポンと出てきていたことに今更ながら驚く
草木染めは科学と化學の知識が必要でそれに微分解析とくる
化学記号で色の説明をしてくださる青樹さん
チンプンカンプンだったけど回を重ねると理解できるようになり
それが料理にも及ぶことを知って着物がだんだん身近になっていった
(つづく)
この生地は今はない、まったくない
紬糸を使って絽織にしてあるのだが絽目が混んでいるのと同時に糸がブツブツしているので
単衣の時期に着るのにぴったり
単衣だ袷だ薄物だと日本の着物にはその季節に合わせた生地があるのだという
誰に聞いても
「昔からそうなの」
という言葉しか返ってこない
母に聞くのが一番いいのだが絶対に嫌!(何突っ張ってんだか)
上の姉は茶道の世界に身をおいているので
少しはまともな答えが聞けるかもしれないとこれまた浜松まですたこら出かける
学生時代は夏休みによく行っていたので姉のお姑さんの大師匠は大歓迎
「あら比佐子ちゃんまずはいっぷく」と座らされお薄をいただく
一応この時代は娘にはいろんな稽古事をさせるのが母親達の義務だったので
お茶とお琴はいやいややったけど身にはついている
姉は私の用事を知っているので早くお茶室から連れ出したいのだが
鴨になっている私はなかなか開放されない
腹を決めてお姑さんに質問
さすが茶道教授スラスラと着物と季節の関わりを説明してくれる
「ただしお茶席ではね、ということで一般とは少し違うかもしれないでも参考にしてね」
「ハイハイ嬉しいです」
しかし上代絽についてはご存じなく姉はそ「ういうのを着てみたいわね」などとのんびりいう
一応の衣替えのときとそれぞれのTPOについても教えていただき
着物っていうのはなんとややこしい
つくることと、着ることの落差のようなものを感じて
この底しれない着物の世界に私は入っていっていいのだろうか
と何か気が重くなってしまった
しかし高崎の青樹さんと色の話をし始めるともう楽しくて仕方がない
(詰まりはまだ自分から着物を着ていないので着る楽しみが全くわかっていないのだ)
その上代絽にクリのイガイガを染料にして染めて
品の良いベージュの色を出し青樹さんが月とすすき萩を手書きすることになった
月は刈安の黄色 萩は蘇芳でだしたえんじ色の花 葉っぱは山藍と刈安で出した緑
着物は柄にも季節を出していくものだと知った
「どうして?」
日本人の季節感の感受性だけではなく、季節の柄はその時のエネルギーを身につけることになるので
体が喜ぶという(ほんまかいな)
この時代に既に波動とか素粒子、電子という言葉がポンポンと出てきていたことに今更ながら驚く
草木染めは科学と化學の知識が必要でそれに微分解析とくる
化学記号で色の説明をしてくださる青樹さん
チンプンカンプンだったけど回を重ねると理解できるようになり
それが料理にも及ぶことを知って着物がだんだん身近になっていった
(つづく)