パン教室「カフェ・タブリエ」主宰 森本 まどか 伝統引き継ぐ「ルヴァン」
「パン・オ・ルヴァン」という名前を聞いたことは ありますか?天然酵母を使ったパンのことです。 エサになる小麦や水を与えながら、天然酵母の パン種を継いでいきます。おなじょうな種をドイツ ではサワ-種、イタリアはバネト-ネ種と呼びま す。昔は、ルヴァンなしにパンは作れませんでし た。何年も継ぎ続けている店もあり、本当にパンへの愛情なしではで きない作業です。ルヴァンのパンは香ばしく、ほど良い酸味もあるの が特長。口にすれば、かみしめるほどに味わい深く、ジュワッとした みずみずしさが感じられるはずです。時代は変わり、便利なイ-スト が入手でき、パンも大量生産が求められるようになりました。手間が かかり、管理が難しいルヴァンを使うパン屋は少なくなっています。 しかし、昔ながらのパンのおいしさを知っている消費者やパン職人に より、ルヴァンを使ったパン作りが見直されているのです。道内でも ルヴァンのパンを買える店はあります。札幌ではム-ラン・ド・ギャレ ット旭が丘本店(℡011・531・2114)などで扱っています。濃い味 のチ-ズやハム、ワインと一緒に、ぜひ食べてみてほしいパンの一 つです。