札幌の書店火付け 首相誤読が後押し
読めそうで読めない間違いやすい漢字 価格:¥ 500(税込) 発売日:2008-01-23 |
「頌春(しょうしゅん)」「独擅場(どくせんじょう)」・・ ・読めますか。漢字の教養本「読めそうで読めない 間違いやすい漢字」(出口宋和著)が札幌市内の 書店で注目を集めている。版元などによると、札幌 から人気に火がついた異例の商品。麻生太郎首相 の相次ぐ漢字誤読が話題になってから、全国的に売れ行きに拍車がか かっているという。
同書はB6版5百円。正しく読んでいるつもりが、実は多くの人が間違 っていそうな漢字熟語ばかり集めた。最初のペ-ジに熟語が並び、め くると裏に正しい読み方と意味が書いてあるというシンプルな構成だ。 発売は1月。「読み書き系の本は中高年のお客さんに受ける」と、さっ ぽろ地下街の紀伊国屋書店オ-ロラタウン店(村田敏行店長)が目立 つ平台に置き、手作りの宣伝ボ-ド(ポップ)を添えて売り込みに力を 入れたところ、多い時は1週間で約70冊もの独自のベストセラ-に。 秋口までに、道内の紀伊国屋の他店鋪や同業他社でも積極的に扱わ れるようになった。北海道で売れている-と、業界で全国的に注目を 浴び始めたのと、麻生首相の誤読報道のタイミングが重なった。「おか げさまで11月以降、注文が殺到しています」と版元の二見書房(東京)。 今月だけで5万部を見込んでいる。大手取次のト-ハン北海道支店に よると、教養本が発売から1年近くたっても売れ続けていること自体、極 めて珍しいという。火付け役の村田店長は「人気ランキング外の本を発 掘、育てるのが書店の仕事。今後も独自色を追及したい」と意気込んで いる。