今期の朝ドラ『花子とアン』に少しはまっている。主演の吉高由里子さんは嫌いではないけど、正直朝ドラにはどうだろうかと疑問を持っていた。幼少期を演じた子役の山田望叶ちゃんの「花子と呼んでくりょう!」 に引き込まれたというのもあるけど、吉高さんも魅力的な花子を演じている。
脚本は中園ミホさん。最近では米倉涼子さんの『ドクターX』のヒットが記憶に新しい。過去の作品には『南くんの恋人』もあり、グッピーこと高橋由美子さんが好きで観ていたなあ…なんて思ったりもした。
さて、この作品では主人公・村岡花子が翻訳した『赤毛のアン』に重なるシーンがちりばめられていると一部で話題になっていた。そこで、タイトルは知っていたけど未読だったので、今更ながら初めてこの本を読んでみることにした。
各ページの上に「赤毛のアン」と丁寧にタイトルが入っていて、また時に涙を誘われるので、電車内で読むのは少し恥ずかしかった。それでも少しずつ読み進め、ようやく今日読み終えた。
物語の主人公はアンだけど、僕は彼女を育てることになったマシュウとマリラという老いた兄妹に感情移入しながら読んでいた。それは、僕も40半ばを過ぎて母と二人暮らしで、自分の子どもがいないのに、子どもが欲しいという気持ちを諦められないからなのだろう。
お喋りで、あちこちで騒ぎを起こすアンに対し厳しくしつけようとするマリラと、いつもアンに対し温かく接するマシュウ。それは異なって見えるけど、心の奥にあるアンへの愛情は同じなのだろう。僕もこの先、もし子どもを育てることになったら戸惑うだろう。それは、どんな親でも突き当たるだろうものと、それに加え、年老いて親になることに伴うものなのかな。こんなことを書くのは取り越し苦労かもしれないけど、万が一親になったら、今この本を読んだ意味は大きい。
そう、『花子とアン』に重ねられた『赤毛のアン』のシーンの数々を見つけ、心の中でニッコリとしたけど、そうさなあ… やっぱり涙の方が勝ったようだなあ。