あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

もこもこ雲

2008-08-16 12:38:55 | 映画を観る
夏休みでも、どこかに遊びに行こうということはなく、平日でしかできないことを済ませておくくらいだろうか。友達でも誘って遊びに行くというのが普通なのかもしれないが、そんな友達を持っていないし、そもそも「それが友達なのか」と、心が構えてしまう。

昨日、映画『きみの友だち』を観に行った。
廣木隆一監督の作品は初めて観たのだが、ドキュメンタリーのような導入部から引き込まれた。現在を描きつづ、子ども時代から「友だち」のエピソードがいくつかちりばめられているのだが、その一つひとつが心と化学反応を起こした。
あの時、僕は彼らと友だちになれたのかもしれない。具体的なエピソードは思い出さなかったものの、そんなことを思いながらスクリーンを見つめていた。

主人公の恵美は、事故で足が不自由になった分自立して生きなければならないと意識するあまり、他人に対し心を閉ざしているのだろうか。そんな彼女が由香というかけがえのない友だちと出会うことで、心の底で何かが変化していく。彼女の中学から20歳までの複雑な心のありようを演じた石橋杏奈さんの、凛とした姿が魅力的だった。そして、彼女の「永遠の友だち」となった由香役の北浦愛さんは、『誰も知らない』の長女役が今も印象に残っているが、今回もとても印象深い演技…というか、素の魅力なのか。
他の役者さんもそれぞれ魅力的だった。森田直幸くんは、『芋たこなんきん』や『ちりとてちん』をはじめ、いい作品に登場しているが、それは彼の持つ何か力強いものが魅力なのだろう。

この先、何か不意にこの作品を思い出すかも知れない。その時は…そう、空を見上げて「もこもこ雲」を探してみるのだろう。

誰か一人にでも心を開いてみよう。そんな人と出会えるといいなあと、夏休みが終わる前に思う。
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