新国立劇場の演劇『ヘッダ・ガーブレル』を観に行った。観劇は一昨年同劇場で『混じりあうこと、消えること』以来となる…と思ったが、その後、昨年夏に燐光群の『現代能楽集 イプセン』を観ていた。そう、イプセンは今回の作品の作者である。もしかしたら、あの時彼の作品をもっとよく知っていたら…と、今更ながら思う。
今回僕の心に引っかかったのは、益岡徹さんが出演されていることだった。これも同劇場で2001年に観た『ピカドン・キジムナー』での印象が強かったからだが、主演が大地真央さんというのにも心惹かれた。シアタートークに合わせて今日の席を取ってから、ずっと楽しみにしていた。
初台の駅に着くと、同じ目的のお客さんが一斉に劇場側の改札に向かう。ここから劇場に入るまでの間、そして、緞帳が開くでもなく静かに開演するまでの間に感じる高揚感を、今日も味わっていた。劇場に入るとすぐ目の前にグッズを売るコーナーがあり、その脇には大地真央さんのグッズを売るコーナーも設けられていた。そう、大地さんといえば宝塚歌劇団で男役のトップスターだった方で、日本を代表するミュージカル女優だ。彼女のファンという方も大勢いるだろうが、舞台上での息遣いまで聞こえてきそうな小さな劇場で彼女を観る機会はたぶん初めてだろう。それに、この芝居はミュージカルでもない。
そんな光景を新鮮に思いながら客席に向かう途中、どこかで観た人がロビーを歩いていた。最近写真を拝見していた、この劇場の新しい演劇部門芸術監督となった宮田慶子さんだ。幕間にも歩いている姿を見かけ、芸術監督として初の作品を自ら演出した意気込みが伝わってきた。
さて、静かに始まりしばらくは、睡眠不足が祟り目をこすりながら観ていた。だから、幕間にはビールではなくホットコーヒーを選んだ。後半に入ると、コーヒーのおかげというより、物語の展開そのものにどんどんと引き込まれていった。きっと、前半は人間関係がよく掴めなかったのだろう。それが、後半には鮮やかに見えてきた。まあ、それでも全てが見えていた訳ではないが、それが見えたんだと思えてくるとともに物語はどんどんとスピードを速め、衝撃的なクライマックスを迎えた。
誰もが善人のようで、だがその裏に悪人の顔を持っている。先日観た映画『悪人』の祐一と光代が頭をよぎった。観終わった後すぐはそんな感じが頭の中でもやもやと浮かんでいたが、その後のシアタートークで司会の中井美穂さんと宮田さん、大地さん、益岡さんとのトークと、お客さんからの質問などでそれがはっきりとしてきた。観終わって話を伺うと、もう一度観たくなる。本当に観に行こうかと考えている。
さて、セット券で購入した『やけたトタン屋根の上の猫』と『わが町』だけでなく、今後も観たい作品が目白押しだ。精力的に「演劇」を発信しようとする宮田監督の意気込みに応えるにも、今度は誰かに声を掛けて誘ってみよう。
今回僕の心に引っかかったのは、益岡徹さんが出演されていることだった。これも同劇場で2001年に観た『ピカドン・キジムナー』での印象が強かったからだが、主演が大地真央さんというのにも心惹かれた。シアタートークに合わせて今日の席を取ってから、ずっと楽しみにしていた。
初台の駅に着くと、同じ目的のお客さんが一斉に劇場側の改札に向かう。ここから劇場に入るまでの間、そして、緞帳が開くでもなく静かに開演するまでの間に感じる高揚感を、今日も味わっていた。劇場に入るとすぐ目の前にグッズを売るコーナーがあり、その脇には大地真央さんのグッズを売るコーナーも設けられていた。そう、大地さんといえば宝塚歌劇団で男役のトップスターだった方で、日本を代表するミュージカル女優だ。彼女のファンという方も大勢いるだろうが、舞台上での息遣いまで聞こえてきそうな小さな劇場で彼女を観る機会はたぶん初めてだろう。それに、この芝居はミュージカルでもない。
そんな光景を新鮮に思いながら客席に向かう途中、どこかで観た人がロビーを歩いていた。最近写真を拝見していた、この劇場の新しい演劇部門芸術監督となった宮田慶子さんだ。幕間にも歩いている姿を見かけ、芸術監督として初の作品を自ら演出した意気込みが伝わってきた。
さて、静かに始まりしばらくは、睡眠不足が祟り目をこすりながら観ていた。だから、幕間にはビールではなくホットコーヒーを選んだ。後半に入ると、コーヒーのおかげというより、物語の展開そのものにどんどんと引き込まれていった。きっと、前半は人間関係がよく掴めなかったのだろう。それが、後半には鮮やかに見えてきた。まあ、それでも全てが見えていた訳ではないが、それが見えたんだと思えてくるとともに物語はどんどんとスピードを速め、衝撃的なクライマックスを迎えた。
誰もが善人のようで、だがその裏に悪人の顔を持っている。先日観た映画『悪人』の祐一と光代が頭をよぎった。観終わった後すぐはそんな感じが頭の中でもやもやと浮かんでいたが、その後のシアタートークで司会の中井美穂さんと宮田さん、大地さん、益岡さんとのトークと、お客さんからの質問などでそれがはっきりとしてきた。観終わって話を伺うと、もう一度観たくなる。本当に観に行こうかと考えている。
さて、セット券で購入した『やけたトタン屋根の上の猫』と『わが町』だけでなく、今後も観たい作品が目白押しだ。精力的に「演劇」を発信しようとする宮田監督の意気込みに応えるにも、今度は誰かに声を掛けて誘ってみよう。