「ディズ オブ グローリー」
製作:2006年
出演: ジャメル・ドゥブーズ, サミー・ナセリ, ロシュディ・ゼム
1943年、第二次世界大戦の渦中。
ドイツ軍に侵攻されたフランスを解放すべく、アフリカ大陸のフランス植民地諸国から13万人の現地人部隊が徴用された。
彼らは、まだ足を踏み入れた事もない祖国フランスの為に、過酷な状況下にある最前線へと送られた。
貧困に喘いでいたサイードは軍隊に居場所を求め、モロッコ出身のヤシールは弟と共に入隊した。
メスードはフランス人の恋人の為に、そしてアブデルカデは植民地の自由と平等を求め戦った。
しかし彼らの奮闘にもかかわらず、植民地出身の現地人部隊は軍部の中で評価されることはなく、出兵先、昇進、食事など全てにおいてフランス人と差別されていた。
そして総攻撃を控えた1945年、ドイツ国境付近のアルザスに進攻していたアメリカ軍から援軍の要請が入る。
最も戦火が激しい地域への進駐だったが、大佐は任務を遂行すれば部隊全員への行賞を約束する。
サイードたちは志願を決意するが、彼らには残酷な運命が待ち構えていた・・・。
フランスの植民地であるアフリカの国の人々がフランスのために戦ったことを初めて知りました。
フランス開放のため志願した兵士達の目的は金の為、出身地の独立の為、自身の出世の為と其々だが、平等というフランス革命の精神を信じて戦ってきた。
しかし国家はそれに報いたのか?
「醜いアラブ人」に対しても平等の精神は発揮されたのか?
淡々とした展開の中に、それらをグリグリと抉るよう見せる。
フランス本国では300万人を動員し、この驚異的な大ヒットにより2006年9月、シラク大統領は植民地出身の退役軍人への恩給を改善したそうです。
2006年カンヌ国際映画祭で主要キャスト5人が最優秀男優賞を同時受賞
2006年セザール賞、オリジナル脚本賞受賞
2007年アカデミー賞(R)外国語映画賞ノミネート
この映画のお勧め度:☆☆☆☆