私が初めて苗場に行ったのは、5月のGW明けでした。
上越新幹線の越後湯沢駅で降りて、バスで苗場へ向います。
一山越えると頂上にはまだ残雪が残っていますが麓はすでに新緑に覆われた苗場山が目の前に現れました。
苗場山は1975年のスキーのワールドカップが開かれたほどのスキーのメッカですが、GWも過ぎると、スキーヤーでごった返していた目抜き通りも全く閑散としています。
御土産屋も食堂もほとんどが店じまいしていました。
苗場Pホテルの仕事で行くといっても、我々が泊まる所はPホテルではありません。
Pホテルの周辺には沢山の民宿や旅館があります。
シーズンオフに入りすでに閉まっている旅館もありますが、ホテルやリゾートマンションの改修工事などで来る工事関係者を専門で泊める旅館もあります。
その中で我々がお世話になったのが「越路屋旅館」です。
「越路屋旅館」は私が当時所属していた会社がPホテルの仕事を昔から行っており、その関係でず~と継続で契約して貰っている旅館でした。
当時は50代前半でなじみの宿泊客からは”かぁちゃん”と呼ばれている女将さんを中心に家族で切り盛りしている”旅館”と云うより”民宿”といった感じのアットホームな旅館でした。
”かぁちゃん”と言っても”母べえ(かあべえ)”の吉永小百合とは比べようもありませんが・・・。
どちらかと云うと京塚昌子の小型”肝っ玉母さん”と言う感じです。
(京塚昌子と言っても若い人は知らないでしょうけどね)
我々以外にも、冬の間休まず運転していたスキーリフトやゴンドラの点検や整備・増設をする会社の人達などが集まり、夕食時にはスキーシーズンとは違った賑やかな食卓となりました。
雪が融けた春の山はふきのとうやうど、たらの芽、わらび、ぜんまい、こごみ、フキなど野草・山菜の宝庫です。
ふきのとう うど
たらの芽 こごみ
天ぷらやお浸し、味噌和えなど、ちょっと苦味がある食材が大皿に盛り付けられて、食べ放題です!
都会にはない贅沢が味わえました。
そんな「越路屋旅館」に泊まり込み、その年のスキーシーズンが始まる12月初旬まで過ごす事になりました。
つづく・・・か?