ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

その後のこと <1>

2008-07-15 | 介護
これまで、義父の介護のことをあれこれ書き綴ってきました。

そして、今回初めて親の死というものを経験し、
人ひとり、この世からいなくなるということは、
ほんとうになんて大変なことなのだろう、ということを
今さらながら痛感しました。

ほとんど予備知識もなく、何がなんだかわからないままに、
葬儀屋さんの言われるとおり行ったわけですが、
驚いたこと、大変だったことを、反省も含めて書き記しておこうと思います。



<取調べ!?>
義母から聞いたところによると、朝、薬を飲ませようと席をはずしてる間に
義父の意識がなくなっていたそうです。
主人と私は義母の電話ですぐにかけつけ、
確かにいつもと様子が違うので慌てて救急車を呼びました。

室内で心臓マッサージを繰り返されたあと、義父はストレッチャーで救急車の中へ。
救急車が来たものだから、近所の方も心配して家の前に出てこられていました。
その中に、近くの交番のおまわりさんの姿があったので、
あれ、何で?と一瞬不審に思いましたが、こちらもそれどころではありません。
救急車には義母と主人が乗り、私は家の戸締りをし、
とりあえず洗い物や、放り出したままの洗濯物を干してから病院へ向かいました。

義父は救急治療室へ運ばれ、主人は私と入れ替わりにいったん戻り、
義母と私が治療室の前でおろおろしながら待っていました。
そこへやって来られた刑事さんふたり。
義母と私と、それぞれに事細かく質問されます。
義父の意識がなく、どうなるかと心配なときに
もう、なんであれこれ質問されなきゃいけないの
と心外だったのですが、ふと、これって取調べ!?と気がついたんです。

こういう場合、救急車を呼ぶと警官が来るらしいのですね。
私のほうにつかれた刑事さんはまだ若く、
いらいらされてる様子で、何度も聞き返されます。
こっちもキレそうだったけど、悪い印象もたれても・・・と
へんなに気を回してしまい、我慢強く答えました~

途中で義父の担当の先生が来られて説明され、ようやく無罪放免。
こちらはなんとも後味悪かったのですが、確かに老人虐待とか、
介護疲れで殺人という事件が起きる昨今。
取調べされても仕方ないのでしょうけど、
何もこんなときに、と思わずにはいられませんでした。


<するべきこと>
親の死は、それでなくても気が動転してるというのに、
喪主ともなれば、次々といろんなことを決めていかなければいけません。

・死に装束
まず、病院で「ご臨終です」と言われたあと、
早速看護婦さんから、死装束はどうしましょう、と聞かれます。
義母も突然のことで、どうしていいかわからない様子。
主人のおばあちゃんのときは経帷子だったように思いますが、
義父が生前着ていた着物になりました。
湯灌も着付けも、すべて看護婦さんがしてくださいました。

・葬儀社
葬儀社は、近くにできたときに会員になっていたところがあったので、
主人がすぐ連絡を取りました。
病院に迎えに来てもらったときから、すべておまかせ、です。
枕飾りなど、一式整えていただきました。
主人の祖母のときは自宅で亡くなったので、大変だったと思います。
長女が生まれて間もなくのことだったので、私は何もしていませんが、
叔母さんたちが、ああでもない、こうでもない、ウチではこうだった、
みたいなこと言われるんですよね(特に田舎の方)。
それを思うと、一切合財葬儀屋さんに任せたほうが、
もめなくていいかな、と思いました。

・連絡
その夜は親戚や友人・知人への連絡です。
これがまた大変。
普段はしっかり者の義母ですが、さすがに頼りにならなくて、
古い住所録や年賀状を頼りにあちこちに電話をかけました。
相手もお年寄りが多いだけに連絡が取れなかったり、
また、古い親戚など、どこまで連絡すればいいかわからなかったり。
あとになって義母から、○○に連絡してなかった~、ということも聞きました

・打ち合わせ
翌日は葬儀屋さんと葬儀プランの打ち合わせです。
カタログをひろげ、さあ、どれにいたしましょう、ということですね。
正直言って違和感を覚えましたが、これを決めないことには先に進めません。
このへんは義母の意向を聞き、希望通りにしました。
その後は会場の大きさや、お供え物、花輪など
ひとつひとつ、わからないながらも決めていかなければなりません。
会場の大きさにしても、一体どれくらいの方が来てくださるのか・・・。
そんな相談をしている最中にも、主人の携帯に仕事関係から
お悔やみの電話がかかってきます。
それを聞いて、葬儀屋さんから大きいほうの会場を薦められました。
こんな具合にアドバイスを受けながら決めていきましたが、
終わったときはどっと疲れました~

葬儀社の方は親切で、わからないところはいろいろ教えてくださいました。
葬儀は大金が動くだけに悪徳業者も多いようですが、
良心的だったのではないかと思います。
でも、お供え用に頼んだ果物の缶詰が国産ではなく、
この値段で外国産か~、とがっかり。
結局、あとでほとんどバザーに出しました。

・遺影
遺影にどの写真を使うか、これも決めるのがなかなかでした。
まず、アルバム探しからです。
義母が出してきてくれるものの、古いのばかり。
義姉とあれこれ言いながら、ときどき義母の思い出話に中断しつつも、
なんとか決めることができました。

・喪服
喪服は、結婚の際ひと揃え用意してもらってはいましたが、
翌年に祖母が亡くなったとき以来、着物は全く着ていませんでした。
必要なものはひとまとめにしてあり、○○がない~、
ということはありませんでしたが、直前になって、
半襟がついてないことに気づき、これには焦りました~
え~、どうするんだっけ!?と着付けの本を引っぱり出し、慌てて縫いました。
子どもたちの喪服は、高校生だったので制服で間に合いました。
今後は、そろそろ喪服の準備もしておかなければなあ、と思っています。



遺影にしろ、死装束にしろ、連絡先にしろ、本人の意向が聞けるものなら
聞いておいた方がいいと思います。
それで家族の負担がぐっと減るのですから。
預貯金や保険のことなども含めて聞いておいたら、
あとの手続きがずいぶんラクになります。

死んでしまえば自分の葬式には口出しすることができません。
そう思うと、こんなお葬式にしてほしい、とか、
生きているうちに考えておいて、家族に伝えておくことも必要ですね。
私もいずれ子どもたちに頼んでおかなければなあ、と思っています。
子どもの負担も軽くなるし、なにより自分自身の最後の儀式ですから。

先日も、
お父さんより先だったら、お墓に入りたくなーい。
知らないご先祖さんの中で小さくなってるの、イヤやもん。
などとワガママ言って、長女にあきれられてしまいました



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (jester)
2008-07-19 15:48:45
お邪魔します。
なかなか読み応えがあり、勉強になるシリーズでした。
さすがくっちゃ寝さんだと感心して読まさせていただきました。

私は義父がなくなったときは海外におりまして、飛行機で駆けつけたときはすべてが整った状態だったので、こういうことは何も知りません。

>ふと、これって取調べ!?と気がついたんです。

そんなこともあるのですね~
ビックリです。
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jesterさん (くっちゃ寝)
2008-07-20 19:40:07
こんにちは。

すべて初めての経験で、これは後々のために書き残しておこう、というつもりで書きました(笑)

取調べはね~、驚きましたよ。
義兄が消防士さんなので尋ねたところ、やはりこういうときは警察に連絡するそうなんです。
でも、普通はこれは事件と関係ないと思ったら、そう言って取り調べはしないようなんですが・・・。
時期的に(5月だったので)、新しく来た刑事さんが練習のつもりでやったんじゃないか、なんて言われてました。
それにしても、家族の心情も思いやってほしいわ・・・。

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