熊本熊的日常

日常生活についての雑記

春の嵐

2006年03月28日 | Weblog
勤めからの帰り道で雨に降られた。地下鉄を降りて地上に出ようとしたら、激しい雨が降っていたのである。地下道へ戻り、少し遠回りになるが地下道を使って乗り換えの駅に向かった。すぐには降り止みそうになかったので、駅のスタバで雨宿りをすることにした。

例年、桜の花の咲く頃は天候が不安定になる。せっかくきれいに咲いても強い風雨に曝されてソメイヨシノはあっという間に散ってしまう。その散り様が美しくもある。花の盛りは美しいが、葉桜は人気がない。桜の木にしてみれば、花は咲くべくして咲き、その役割を終えれば次の相に変化するだけのことだ。我々がどう感じようと、それは見る側の勝手にすぎない。

他人のまなざしというのは、目立つところにしか向かわない。目立つところも大事だが、目立たないところでしっかりと仕事をしておかないと、目立つところに華を与えることはできない。地味な仕事は退屈で、それ自体が評価されることはないかもしれない。しかし、物事はそうしたことの積み重ねで全体が構成されている。

結局、スタバで約1時間過ごした。道行く人が傘を閉じ、往来の車のワイパーは動いていない。老木は老いの行方を考えながら家路を辿るのである。