ゆれた。凄い作品だと思った。家族といえども他人であるという当たり前の事実を丹念に描いている。
地方都市で家業のガソリンスタンドを切り盛りする兄。東京に出てカメラマンとして活躍する弟。母が亡くなり、弟は葬儀に出るため久しぶりに実家にやってくる。たまたま立ち寄った実家のガソリンスタンドでは昔の彼女が働いていた。彼女は兄と仲良さそうにしている。兄弟仲は良い。兄は弟を暖かく迎える。しかし、彼等の心の奥底には、互いに対する嫉妬、不信感、信頼感、好意、憎悪が渾然一体となって渦巻いているのである。
その心の奥に秘められた感情の表出のさせかたが巧みである。台詞とカットに無駄がなく、ひとつひとつシーンやひとことの台詞が語る世界に広がりがある。監督が雑誌のインタビューのなかで語っていた「尻切れとんぼのようなラスト」も印象的だった。全く「尻切れ」ではなく、深い余韻を感じさせるものだった。
地方都市で家業のガソリンスタンドを切り盛りする兄。東京に出てカメラマンとして活躍する弟。母が亡くなり、弟は葬儀に出るため久しぶりに実家にやってくる。たまたま立ち寄った実家のガソリンスタンドでは昔の彼女が働いていた。彼女は兄と仲良さそうにしている。兄弟仲は良い。兄は弟を暖かく迎える。しかし、彼等の心の奥底には、互いに対する嫉妬、不信感、信頼感、好意、憎悪が渾然一体となって渦巻いているのである。
その心の奥に秘められた感情の表出のさせかたが巧みである。台詞とカットに無駄がなく、ひとつひとつシーンやひとことの台詞が語る世界に広がりがある。監督が雑誌のインタビューのなかで語っていた「尻切れとんぼのようなラスト」も印象的だった。全く「尻切れ」ではなく、深い余韻を感じさせるものだった。