アウグスブルクという町がずっと気になっていた。1989年の夏とクリスマス、1990年の夏を過ごした土地だ。滞在期間が通算3ヶ月半と短い所為もあって、良い印象しか残っていない。いつか再訪したいと思いながら今に至ってしまった。2014年6月に思い立って当時通っていた語学学校にメールを送ってみた。その学校はご夫婦で運営されていた小さな学校だった。生徒のほとんどはイタリアやスペインの10代の子供達で、現地在住のタイ人や韓国人の家庭の子供達もいた。ネットで検索してみると学校は大きくなったが、経営陣や講師陣に創業夫婦の名前はなかった。それでもなにか反応があるかもしれないと思って送ってみたが、返信はなかった。結局、昨年の休暇はパリですごすことにした。そのときのことはこのブログにも書いた。
今年は縁のある人がいようがいまいが、とにかくアウグスブルクへ行ってみようと思ったのである。2月の中旬にネットでミュンヘンまでの往復のフライトを予約した。昨年のパリ同様、羽田発の朝の便だったので出発前日の夜は蒲田に宿を取った。フライトは2人でサーチャージ類一切込みで234,460円。昨年のパリは往路が直行便で復路がワンストップであったが、今回は往復ともワンストップという所為もあり、昨年のパリ往復に比べて72,040円安くなった。一昨年にロンドンへ遊びに出かけた時は往復直行便であった所為もあり、フライトには426,700円かかった。回を重ねる毎に40万円台、30万円台、20万円台とコストが下がっている。この調子でいくと再来年あたりはタダになるのではないかと期待している。
毎年ヨーロッパへ行かなくてもよいのだが、いつ死んでもおかくない年齢になると見たいところ行きたいところにふらりとでかけてみたくなるのである。それがたまたまロンドン、パリ、ミュンヘン(アウグスブルク)だったというだけのことだ。これまでのところはいずれも自分が知っていて再訪したい場所だった。まずはそういうところを優先するものだ。自分というものを形作っってきたものに素朴に好奇心を覚えるのである。やはりどこも自分にとっては異文化の地であり、そういう場所で短期間でも生活をしたという経験がいろいろな面において刺激となったのは確かだと思う。そういう意味ではマンチェスターやインドへも行ってみたい。
フライトを予約した同じサイトで宿を予約することもできたのだが、どれも高く感じられてとりあえずは見送った。昨年のパリの宿を予約したサイトでは、海外のホテルは某外資サイトを経由していることがわかったので、その外資サイトへ直接アクセスして駅前のホテルをとりあえずおさえた。結果としてそこに宿泊した。ちなみに宿の費用は一昨年のロンドンが7泊で875ポンド(朝食付き、現地精算)、昨年のパリは6泊で82,823円(朝食別、予約時支払)、今年のミュンヘンは6泊で737.6ユーロ(朝食別、現地精算)だ。今年は直前まで無料でキャンセル可能で、しかも宿泊前の支払は一切なしという、こちらにとってはありがたいシステムだった。尤も、旅行の段になって円安が進んだので、結果としては予約時に支払も済ませておいたほうが割安ではあった。
ミュンヘンでもアウグスブルクでも、楽しかったという印象は鮮明なのに、いざ再訪の計画を考えようとすると、多くの細かな記憶が失われている。忘れる、というのは精神の健康にはある程度重要な作用なのだろうが、印象だけ残って実体が無いというのは寂しいことである。