Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

息子、シカゴで日本語活字中毒になる?!

2008-02-12 | 教育一般
うちの13歳の長男が本好きなのは有名である。かたときも本を離さない。スポーツの練習や試合がある日でも、その場所に持っていって、寸時を惜しんで、本を読む。日本人学校中学部でも、みんなを引き離して、ダントツに読書量が多いらしい。

だから、私は、息子は文系だとずっと思っていたのだが、その読書量のおかげで、小学校6年生ぐらいから、算数ものびてきて、計算も速くなり、中学に入ってから、数学はまったく問題なく、得意の国語より、むしろテストの点数が高くなってきた。読書を積んで読解力をつけるということが、いかに大事かということが息子の例でわかる。文系とか理数系とか早くから決め付けるのもよくない。だから、日本人学校は、子供たちに読書マラソンなどをして、本を読むことを勧めてくれる。

なぜ息子がこんなに本を読むようになったかと言うと、もともと小さな頃から私たちは息子によく読み聞かせをしていたのだが、義母がさまざまな絵本を買っては義母も帰省のたびに読み聞かせをしてくれた。そのおかげで、小学校1年生の夏には、幼年版「シートン動物記」シリーズを1冊(1冊70ページぐらい)20分ぐらいの速度で読めるほどになって、まわりの人を驚かせた。小学2年生の頃は、「世界文学の森」シリーズや伝記物をかたっぱしから読破し、小学3,4年生で、ずっこけシリーズ、怪盗ルパンシリーズ、そして、江戸川乱歩シリーズなど、どんどん突き進んだ。

息子が小学校1年生の2月にシカゴに来たのだが、主人は、「うちは本に使うお金は惜しまない!」と宣言し、息子が少しでも興味を持った本は、アマゾン、ブックワンで日本からすぐに取り寄せたり、義母に頼んで送ってもらったりして、買い与え続けた。私たちもある種の活字中毒のような部分があるので、息子にもとびひしたというか・・・

そして、小学4年生の時、担任の先生が読書記録をつけさせ、クラスの子供たちを競わせた時、息子はモーレツに読書量を増やした。自分の得意分野だと思ったのだろう。休み時間も惜しんで読むことに専念していた。小学4年生の1年間でなんと驚いたことに、10万ページを読破した。

この頃から、普通に大人の新聞も楽に読めるようになった。一瞬で、一つの記事を読めると言うのが、私には信じられなくて、「よし、それならどちらが記事を速く読めるか、ママと競争をしよう!」小学校4年生の終わり頃、日本経済新聞の大きな記事(彼の得意な野球の記事だったかも、1ページ分はあった)を私と読む競争をした。結果は、私の3倍ぐらいのスピードで読み終わり、全部内容も詳しく把握していたので、私はショックでひっくり返りそうになった。これでも、昔、日経新聞を速読してた金融記者だったのに・・・小学4年生に負けるか・・とほほ。

親が知らないうちに、いつの間にか息子には速読術が身についていたようだ。5年生ぐらいから、大人の本もバシバシ読むようになり、一冊の本も何回も繰り返し読み、彼の血と肉になり、知識量も増えていったようだ。中1になって、試しに吉本ばななの「キッチン」(私の愛読書)を息子の机に置いておいたら、10分ちょっとで読んだと言う。「ウソだ!」と私は叫んだが、ストーリーもすべて克明に言えたので、本物だ。

自分の大好きな野球、歴史、推理小説の本は、増える一方。松井秀喜、松坂大輔、イチロー、このあたりは、各選手に関する分厚い本が何冊もあり、何回も熟読するので、彼らの理論やフォームはすべて頭に入っている。その他メジャーリーガーも含めて、何人もの選手のフォームや理論も頭にたたきこんでいるので、練習しなくても各選手のバッティングフォームやピッチングフォームの真似ができる。ただ、息子の一番のお気に入りの野球の本は、やはりイチローや野茂を育てた名監督「仰木彬夢実現の方程式」だ。256ページある割と厚い本だが、繰り返し繰り返し読んでいる。私も読まなくちゃね。

今は、古本屋で見つけた貴重な江夏豊の自伝の本「左腕の誇り」を友達に借りた「終戦のローレライ」シリーズと並行して読んでいる。松坂、江川よりも昔の怪物、江夏か、しぶーい!つねに原点を求めるということか。

しかし、日本人学校に行きながら、本を大量に読むので、アメリカにいてもきちんとした日本語力がつき、私のおかしな日本語もことどとく指摘される。「あの人には、喜怒哀楽の怒が欠如している。」(なんで、簡単に「あの人は、やさしくて、怒らない人」って言わないのさー!)「敵に塩を送るようなことはしたくない!」などと私には思いつかないような表現もこのシカゴの地で言い放つ。ときどき私にはわからない言葉も使って、えっと思わせる。(息子には内緒だが)恐るべし、息子!


日本人学校でも、小学部の英会話の時間でしっかり基本のフォニックスなどをやってくれたため、英語の本を読む力もつき、日本語で身につけた速読力で、現地校の小学5、6年生レベルの本はそこそこ速く読めるようになった。といっても、英語だとなかなか自分から読まず、しかも興味のある野球の本しか読まないけど・・・

ここシカゴでは、うちの子供たちはあまりテレビを見ない。うちはテレビジャパンも引いていない。金曜日を除いて、子供たちは、お互い家が離れているので、毎日日本のように子供同士で遊べない。よって、子供たちは、読書に集中できるという構図だ。といっても、次男は、長男のようにはうまくいかない。暇があれば、マンガばかり読んで、「こんなことでいいのか。」と私の心配の種だ。

しかし、大量に買った本は、帰国前どう処理するか、頭が痛いところだ。