万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

冷やすべきは地球ではなく頭のほうか?

2008年05月25日 14時13分09秒 | 国際政治
「二酸化炭素犯人説」に異論も…50人で36時間、温暖化討論会(読売新聞) - goo ニュース

 京都議定書の締結以来、温室ガス削減問題は人類共通の緊急課題として、国内外において熱心な取り組みが進められてきました。ゴア氏を筆頭に、”今すぐに温暖化ガスを削減しなければ人類は滅びる”、という主張が、まことしやかにメディアを通して喧伝されてきたのです。

 しかしながら、温暖化の原因は何か、ということになりますと、科学者の主張と政治家の主張との間にも、温度差が見られることも確かです。今日では、科学者の論調も、”二酸化炭素犯人説”が主流となった観はありますが、それでも、この説は、相当に政治色がかかっているとする指摘もあるのです。

 専門の科学者ではなくても、冷静に考えてみますと、1.二酸化炭素の増加に伴いそれを吸収する植物の光合成も増えること、2.二酸化炭素よりも、メタンやフロンの方がはるかに温暖化効果が高いこと、3.地球の気温は、太陽の活動と地球のマグマの活動に影響を受けること、4.過去にはより激しい気候変動があったこと・・・といった疑問点が浮かんできます。その上、地球の冷却化現象を示すような報告が、ないわけでもありません。しかも、排出権取引制度のように、削減効果を期待できないどころか、企業負担の増加と排出権取引市場における投機を招きそうな制度の導入とセットとなるとしますと、さらに怪しさが倍増してしまいます。もし、大胆な削減を行っても、さしたる効果がなかったり、逆に冷却化が新たな問題となったりしましたら、一体、誰が、責任をとるのでしょうか。

 本当の原因は、誰にも分からないことなのに、温暖化ガス削減熱に浮かされた政治家や環境派の方々が、必死になって削減に向けてひた走っているようにも見えます。まずは、冷静で客観的な議論ができるよう、頭を冷やす方が先決なのかもしれません。 

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする