万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国を誤爆するクラスター爆弾禁止条約

2008年05月30日 14時23分44秒 | 国際政治
クラスター爆弾全面禁止合意 専守防衛に空白(産経新聞) - goo ニュース
 
 クラスター爆弾禁止条約とは、人道を前面に押し立てた一種の軍備制限条約なのですが、軍事部門における一律のルール作りには、常に一悶着も二悶着もあるものです。何故ならば、軍備の制限が、特定の国に、自国の防衛にとって死活的な打撃を与えるからです。

 日本国もまた、クラスター爆弾禁止条約が、善意で攻撃しそうになっている国に他なりません。これは、誤爆と信じたいところです。報道によりますと、クラスター爆弾が禁止されますと、日本国は、戦争に至った場合には、敵国軍隊の上陸を阻止する有効な手段がとれなくなるそうです。いわば、”丸腰”になってしまうらしいのです。これでは、日本国と国民を守るための防衛力が、大幅に低下することは否めません。実際に戦わなくとも、条約というソフトな手段で、軍事力を削ぐことは可能なのです。

 クラスター条約の批准については、政府は、国際的な孤立化を理由に、前向きの方針を示していますが、アメリカもロシアも中国も参加せず、また、東アジアでは日本国のみが参加予定とのことです(全く理由になっていない・・・)。

 批准するならば、最低でも、1.代替兵器の導入までの期間については保有を認める、2.保有は認め、同条約加盟国との戦争に際してのみ使用を禁じる、3.自国領域内での使用を認めるといった留保条件を付けべきと言えましょう。

 もし、このまま批准となりますと、政府は、国民の安全を軽視していると取られても致し方がないのではないでしょうか。クラスター爆弾禁止条約が誤爆しようとしている日本国の安全について、政府は、より真剣に考えるべきではないか、と思うのです。

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コメント (2)
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