万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

オバマ大統領の苦戦―”チェンジ”が使えない

2011年11月07日 14時39分16秒 | アメリカ
「草の根」離反…オバマ大統領、再選に黄信号(読売新聞) - goo ニュース
 長引く景気の低迷と、一向に改善の兆しが見えない雇用状況を背景に、オバマ大統領の再選には暗雲が立ち込めているそうです。特に、先の大統領選挙でオバマ氏を熱狂的に指示した若年層の離反が顕著とのことですが、その一つの原因は、”チェンジ”が禁句になってしまったからなのではないかと思うのです。

 先の大統領選挙では、オバマ氏は、”チェンジ”をキャッチ・フレーズに掲げることで、斬新な改革によるアメリカの刷新を約束しました。”チェンジ”とは、颯爽と登場した大統領が、旧態依然としたアメリカに新たな風を吹き込むというイメージを国民に与えた、魔法の言葉であったのです。演説上手も然ることながら、この言葉ほど、アメリカ国民を惹きつけたものはなかったかもしれません。しかしながら、二期目の大統領選挙となりますと、”チェンジ”は、決して口にできない言葉となります。何故ならば、それは、自己否定を意味してしまうからです。

 果たして、オバマ大統領は、”チェンジ”に優るキャッチ・フレーズを、次期選挙で掲げることができるのでしょうか。あるいは、”チェンジ”の結果が、国民の期待を裏切る形となったのですから、インパクトのある耳に心地よいキャッチ・フレーズを掲げる作戦もまた、使えない手法になりつつあるのかもしれません。

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