万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

対シリア要求-民間人虐殺禁止も加えて

2013年09月10日 15時40分40秒 | 国際政治
ロシア提案「事態打開も」=シリア攻撃の方針は堅持―米大統領(時事通信) - goo ニュース
 化学兵器を使用した疑いが濃厚なシリアのアサド政権。アメリカは、上下両院の承認を得次第、軍事行動に移る構えを崩してはいませんが、ここにきて、ロシア政府が、アサド政権側が保有する化学兵器の国際管理を引き換えに、軍事制裁は控えるべし、との案を提起したそうです。

 ロシアの提案に対して、アメリカは懐疑ではありつつも、頭から拒絶はしていないようです。一方、アサド政権側の出方も未知数ですあり、この提案の行方は不透明です。しかしながら、何れにしても条件を付けるならば、化学兵器の国際管理に加えて、民間人の虐殺禁止も加えていただきたいものです。シリア保有の化学兵器の国際管理化は、大量虐殺兵器の使用を不可能とはしますが、民間人の大量虐殺を止める効果はありません。化学兵器を使用する以前から、アサド政権は、女性や子供を含む民間人の自国民を、容赦なく殺戮してきました。犠牲者の数は、既に10万人にも上っていながら、大量虐殺は一向に収まる気配はなく、アサド政権は、反体制派の”抹殺”を目論んでいるかのようです。

 国際法違反を問うならば、生物化学兵器の使用のみならず、アサド政権によるジェノサイドの実行もまた重大な違法行為です(シリアは、ジェノサイド禁止条約の締約国…)。否、後者に関しては、実行者が特定できているのですから、アサド政権が制裁の対象となることは、当然のことなのです。シリア国民を保護するためにも、アサド政権に対しては、民間人の大量虐殺の禁止こそ要求すべきではないかと思うのです。

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コメント (2)
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