万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

全国民ワクチン強制接種の危機?

2020年06月27日 12時29分11秒 | 国際政治

 本日6月27日付日経新聞朝刊一面のトップ記事は、日本国政府が、英製薬会社アストラゼネカ社とワクチンの提供に関して交渉に入ったというものでした。新型コロナウイルスワクチン開発にいち早く成功した同社が目指すのは20億回分のワクチン製造であり、7億回分とされる‘欧米枠’を差し引いても、日本国をはじめ他国に提供する余力を有しています。日本国政府としては、逸早く‘日本枠’を確保したいということなのでしょう。

 ワクチンに関する日本国政府の基本的な立場は、‘できるだけ早くに日本国民にワクチンを届けたい’というものです。この言葉を素直に受け取れば、英製薬会社との交渉も、‘新型コロナウイルス禍から一刻も早く日本国民を救い出したい’という一念からの行動となり、政府は、日本国民の命と健康、そして、経済活動を正常化するために、はるばるイギリスにまで出向いて懸命にアストラゼネカ社と交渉していることとなります。本来であれば、政府によるワクチンの調達は、国民にとりましては‘ありがたいお話’となるはずです。しかしながら、少なくない国民が、政府の‘善意’に疑いを抱いているようなのです。

 その理由は、‘火の無い所に煙は立たぬ’とも申しますように、状況証拠からしますと、今般の政府の動きにも、全日本国民強制ワクチン接種の筋書きが潜んでいるように思えるからです。そもそも、ビル・ゲイツ氏の日本国からの叙勲が公表された際には、誰もが、その理由に首を傾げたはずです。しかしながら、今となって、アストラゼネカ社に同氏が資金を支援しているという事実を知りますと、点と点が繋がります。そして、安倍政権が、明治維新以来、裏から日本国の政治に影響を及ぼしてきたイギリス系の国際シンジゲートと繋がりがあるとしますと(英蘭東インド会社脈+イエズス会系の国際組織では…)、ワクチンを取り巻く国際的な動きも理解に難くはなくなります。

 同記事は「…早期に全国民向けのワクチン確保を急ぐ考えだ」の一文で締めくくられており、日本国政府は、医療従事者等の感染リスクの高い人々に留まらず、‘全国民’の接種を想定しているようです。それでは、政府は、どのようにして‘全国民’にワクチンを接種させることができるのでしょうか。現行の法律では、公費負担となる定期接種でさえ1994年の法改正により罰則規定なしの「努力義務」に留まっています。今般のコロナウイルス禍にあっても、政府が全国民に対してワクチンを摂取させようとしても、法律の壁が立ちはだかっているのです。日本国政府が法改正に動き出すとしますと、それは、危険なシグナルかもしれません。

 先日、日本国の厚労省は、新型コロナウイルス接触確認アプリの運用を開始しましたが、同システムが効果を発揮するには全国民の6割ほどの利用が必要とされながら、現状でのダウンロード数はこの目標には達していないようです。運用開始から日が浅いとは言いつつも、同アプリの普及の遅れの原因は、国民の根深い政府不信にあるのかもしれません。同事例に鑑みますと、国民が政府の‘善意’に対して疑いを抱いている状況下にあっては、政府が積極的にワクチン接種を呼び掛けたとしても、国民の多くはこの呼びかけには応じないのではないでしょうか。日本国民の多くは、新型コロナウイルスの感染のみならず、日本国政府に対しても警戒しているのですから。

 経済活動への復帰は、PCRや抗原検査を以って可能となりますので、ワクチン接種で産生された抗体の有効性や効果の持続期間等が不明なワクチンを全国民に接種させるよりも、前者を全国民に実施した方が、よほど感染防止効果が期待できます。そもそも、全国民を対象としたPCRや抗原検査は不可能と決めつける一方で、ワクチンの全国民接種は可能とする政府の説明自体が、どこか怪しいのです。本心から国民の生命と健康、そして、日本経済を護ろうとするならば、予算をかけてでもPCRや抗原検査を全国民を対象として早急に実施し、ウイルスを保持していない陰性の人々に対しては、経済・社会活動を全面的に許すべきなのではないでしょうか(医療崩壊のリスクへの対応としては、PCRや抗原検査で陽性となった無症状の人々に対して定期的に検査を実施し、同検査での陰性の判定、あるいは、抗体検査で陽性の判定となるまで引き続き自宅待機とする…)。日本国政府のワクチン接種への傾斜は、それが筋が通っていないだけに(より効果的な方法があるのに、それを採用しない…)、なおさらに国民の警戒心を高めているように思えるのです。

コメント (2)
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