米中貿易戦争が激しさを増すにつれ、‘戦争被害’も取り沙汰されるようになりました。日本企業も無傷でいられるわけはなく、被害予想の試算に慄いて早期の‘終戦’を望む声も少なくありません。
米中貿易戦争において最も被害を受けると予測される日本の企業は、中国に製造拠点を設け、アメリカ市場に輸出している企業です。国境を越えた最適配置を試みた結果として構築してきた多国籍サプライチェーンの鎖の一つが、事実上外れてしまうのですから、その再構築には時間もコストもかかります。例えば、製造拠点を中国から東南アジア諸国などに移転させようとすれば、工業新設のための新たな設備投資、あるいは、移設のための移転費を要することでしょう。しかし、もっとも、近年の中国での賃金上昇やロボットを含む工作機械の技術向上を考慮すれば、日本国内や中国以外の別の地域への工場の移転は、長期的にはコスト減となるかもしれませんし、コスト増は、日本企業のみならず、米企業を含む中国生産にシフトした全ての企業に降りかかる運命ですので、アメリカ市場での競争条件において、日本企業のみがとりわけ不利となるわけでもないかもしれません。
何れにしても、米中貿易戦争には相応の‘被害’を覚悟しなければならないのですが、この被害、長期的に見ますと、最小の被害である可能性がないわけではありません。何故ならば、中国が、巨額の貿易黒字を計上し続け、知的財産を侵害しつつ先進国の先端技術を貪欲に吸収しながら「中国製造2025」を実現する事態に至るならば、同国の軍事的脅威は現在とは比にならない程飛躍的に高まることが予測されるからです。「中国製造2025」は産業戦略として発表されていすが、それは同時に、先端的軍事技術における優位性の確立をも意味しています。
中国では、日一日と習近平独裁体制が強まり、「一帯一路構想」の名を借りた中国支配圏構想、否、世界支配構想も着々と進められています。人民解放軍の組織改革を見ても、‘戦争ができる軍隊’へと変貌しており、今や、ハイテク兵器は米軍の専売特許ではなくなりました。過去におけるソ連邦の軍事行動が如実に示すように、暴力革命に自らの正当性を求める共産主義国家は‘行動’、あるいは、‘実行’を是としていますので、近い将来、中国が軍事行動の挙に出ることは現実的な懸念です。日本国もまた、中国によって戦争に引きずり込まれる可能性は高く、貿易戦争ならぬ‘本物の戦争’も絵空事とは言えない状況にあります。
先の大戦では、日本国は、戦後に締結されたサンフランシスコ講和条約に基づき、中国大陸に日本企業が残した全ての残置財産を中国側に引き渡しております。数十年に渡る日本国側の莫大な投資は水泡に帰し、在中資産を全て失ったのです。この前例を思えば米中貿易戦争における‘被害’は僅かなものであり、また、若干の時間がかかるとしても、より安全なサプライチェーンを再構築することも不可能ではありません。万が一にも中国との間で戦争になり、日米同盟の奮闘もむなしく中国が勝利することにでもなれば、日本国や日本企業の財産どころか、無残にも国土も国民も蹂躙され、国家そのものを奪われることとなりましょう。
米軍が人民解放軍に優位している現段階にあって、中国の覇権主義を経済的な手段で抑え込むことができれば、これに優る良策はないのではないでしょうか。先を見越すならば、米中貿易戦争を徒に嘆くよりも、‘本物の戦争’を回避できる絶好のチャンスの到来として歓迎すべきなのではないかと思うのです。
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米中貿易戦争において最も被害を受けると予測される日本の企業は、中国に製造拠点を設け、アメリカ市場に輸出している企業です。国境を越えた最適配置を試みた結果として構築してきた多国籍サプライチェーンの鎖の一つが、事実上外れてしまうのですから、その再構築には時間もコストもかかります。例えば、製造拠点を中国から東南アジア諸国などに移転させようとすれば、工業新設のための新たな設備投資、あるいは、移設のための移転費を要することでしょう。しかし、もっとも、近年の中国での賃金上昇やロボットを含む工作機械の技術向上を考慮すれば、日本国内や中国以外の別の地域への工場の移転は、長期的にはコスト減となるかもしれませんし、コスト増は、日本企業のみならず、米企業を含む中国生産にシフトした全ての企業に降りかかる運命ですので、アメリカ市場での競争条件において、日本企業のみがとりわけ不利となるわけでもないかもしれません。
何れにしても、米中貿易戦争には相応の‘被害’を覚悟しなければならないのですが、この被害、長期的に見ますと、最小の被害である可能性がないわけではありません。何故ならば、中国が、巨額の貿易黒字を計上し続け、知的財産を侵害しつつ先進国の先端技術を貪欲に吸収しながら「中国製造2025」を実現する事態に至るならば、同国の軍事的脅威は現在とは比にならない程飛躍的に高まることが予測されるからです。「中国製造2025」は産業戦略として発表されていすが、それは同時に、先端的軍事技術における優位性の確立をも意味しています。
中国では、日一日と習近平独裁体制が強まり、「一帯一路構想」の名を借りた中国支配圏構想、否、世界支配構想も着々と進められています。人民解放軍の組織改革を見ても、‘戦争ができる軍隊’へと変貌しており、今や、ハイテク兵器は米軍の専売特許ではなくなりました。過去におけるソ連邦の軍事行動が如実に示すように、暴力革命に自らの正当性を求める共産主義国家は‘行動’、あるいは、‘実行’を是としていますので、近い将来、中国が軍事行動の挙に出ることは現実的な懸念です。日本国もまた、中国によって戦争に引きずり込まれる可能性は高く、貿易戦争ならぬ‘本物の戦争’も絵空事とは言えない状況にあります。
先の大戦では、日本国は、戦後に締結されたサンフランシスコ講和条約に基づき、中国大陸に日本企業が残した全ての残置財産を中国側に引き渡しております。数十年に渡る日本国側の莫大な投資は水泡に帰し、在中資産を全て失ったのです。この前例を思えば米中貿易戦争における‘被害’は僅かなものであり、また、若干の時間がかかるとしても、より安全なサプライチェーンを再構築することも不可能ではありません。万が一にも中国との間で戦争になり、日米同盟の奮闘もむなしく中国が勝利することにでもなれば、日本国や日本企業の財産どころか、無残にも国土も国民も蹂躙され、国家そのものを奪われることとなりましょう。
米軍が人民解放軍に優位している現段階にあって、中国の覇権主義を経済的な手段で抑え込むことができれば、これに優る良策はないのではないでしょうか。先を見越すならば、米中貿易戦争を徒に嘆くよりも、‘本物の戦争’を回避できる絶好のチャンスの到来として歓迎すべきなのではないかと思うのです。
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13億の人口規模からしますと、中国が20年後にはGDPにおいてはアメリカを追い越すことは大いにあり得ることと思います。そして、ここで問題となるのは、その経済力を世界支配戦略につぎ込むことであり、中国は、暴力的な軍事力と相手国籠絡の資金源の両者を手にすることになります。その結果が如何に人類にとりまして悲劇的であるのかは、誰もが予測し得ることですので、何としても、今のうちに中国の覇権主義を阻止する必要があります。少なくとも共産党一党独裁体制が崩壊するまでは、中国の自力発展は放置するとしても、中国を国際的なサプライチェーンからは外すべきなのではないでしょうか。政治や経済を含め、中国を孤立化させることこそ、将来における犠牲を最小にとどめる当面の策ではないかと思うのです。
終わりなきデスマッチなのか、交渉のための駆け引きなのか。
西へ西へと進み、太平洋を越えてチャレンジャーである新興国を叩くというアメリカの伝統的な行動なのか。本気で叩き潰すのか。
山田順さんというジャーナリストの方がトランプに関して興味深い考察を書いておられます。
ま、トランプ氏本人以外本心はわからないので何とも言えませんが。
中国に関しては近藤大介氏、他いろいろの意見を読みながら何となく感じておりますが、習近平独裁で一枚岩のようでいて、そうではないという見方もあります。つまり反対勢力が根強くいと。彼は敵を作り過ぎてしまったがために、権力から落ちたとたんに歴代韓国大統領のようになることを、退いたら最後、獄中に叩き込まれることを恐れていると。
ま、そんなことは私にはわかりようがありませんが。良い方向に向かっていってほしいです。
ただ政治学で言われるではありませんか。強権を発動して刑務所送りやら弾圧が目立つ政治体制は、見かけとは裏腹にその基盤は脆弱である、と。
今はこんな感じで良いでしょう。ただ私が懸念するのは、しばらくのちのことです。予測では中国は間違いなく20年の間には米国を抜くとされています。
まともなシンクタンクは日本ではやりの中国崩壊論など相手にしていません。
その時、インドも超大国となっていますが、そんなパワーバランス激変の中で時のアメリカ大統領はどのようなふるまいをするでしょうか?
米国が日本の安全保障の生命線となっておりますが、日本の安定にはできれば仲良く友好関係を築いていきたい。
ただし相手が信じられない敵ならば、無防備に近づくことは危険ですが。
アメリカの今の振る舞いは今後のアメリカの方針であるのかどうか大いに疑問であり、30年後等にアメリカが太平洋から距離を置く内向的な国家、石油の産出も世界一ですしアラブに神経質になる理由ももうさほどないと。
今その雰囲気はありませんが、時は熟しておりませんが、日中が真の友好関係を築く日を日本のために強く望みます。
アメリカはやがて内向きになると私は考えていますから。
不透明で今のままではとても危険です。
中国をアメリカ主導で抑えることは今の時点では合理的でも、いつまでそうできるのやら。と、二枚腰三枚腰の視点で対応すべきかな