万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

安倍元首相襲撃事件のシナリオは存在したのか?

2022年07月13日 13時06分16秒 | 国際政治
 政治家の暗殺といった大事件が発生しますと、兎角に真偽が入り混じった情報やフェイクニュースなどが飛び交うものです。その一方で、歴史においては、ケネディ大統領暗殺事件のように、政府サイドによって真相が隠され、組織的背景も指摘される正真正銘の陰謀も少なくありません。今般の安倍首相暗殺事件にも、政治的、かつ、組織的な背景が潜んでいる可能性は否定できないのですが、目下、何らかの‘組織的’な圧力により、山上容疑者の個人的犯行説が定説化している感があります。そこで、本日の記事では、数々の謎を解くために、一つの大胆な推理を試みてみたいと思います。

 本記事での推理は、暗殺事件に先立って、襲撃事件のシナリオが存在していたのではないか、というものです。ここで注意すべきは、暗殺事件ではなく、‘襲撃事件’であるという点です。後者のシナリオでは、安倍元首相は一命をとりとめ、少なくともその場で即死するには至りません。レーガン大統領暗殺未遂事件と同程度であり、あくまでも未遂事件として計画されているのです。仮に、このシナリオが存在していたとすれば、同事件を報じるメディアや周囲の人々の‘ちぐはぐ’な行動も説明できます。

 例えば、メディアの初期の報道では、奈良県内で安倍元首相が銃で撃たれ、一時的に心肺停止状態に至ったものの、周囲のスタッフ等の対応により心臓マッサージを受けて蘇生し、意識も取り戻しているというものでした。ドクター・ヘリによって病院に搬送される際にも、救命チームと言葉を交わしていたとの情報もあり、多くの人々がまさか暗殺事件となるとは思わなかったことでしょう。

ところが、実際には、ほとんど安倍元首相は即死状態であったとされており(銃弾で心臓を損傷すると3秒程度で死に至るらしい…)、病院への運搬手段もドクター・ヘリではなく、救急車であったという説もあります。そして、何よりも不可解な点は、周囲のスタッフたちは、あたかも準備していたかのように、救命のための心臓マッサージを呼びかけているのです。言い換えますと、(1)安倍元首相が暴漢に襲撃される、(2)心肺停止となる、(3)現場で心臓マッサージを受ける、(4)蘇生する、(5)ドクター・ヘリで病院に搬送される、というシナリオが既にあり、周囲の人々は、このシナリオ通りに行動したのかのようなのです。画像の中には事前に撮影したものがあったとすれば、マスメディアやネット等で公開された画像や動画に食い違いがある理由も説明できます(安倍元首相が前方に倒れる画像も発見…)。マスメディアも、このシナリオを事前に知っており、同シナリオ通りに報道したところ現実と違ってしまった、ということなのかもしれないのです。

当初より準備されていたとすれば、NHKが手際よく犯行現場を撮影し、犯行前の山上容疑者の様子からSPに取り押さえられる瞬間を詳細に報じながら、肝心の決定的瞬間だけは隠した理由も頷けます。また、周囲のスタッフが医療関係者やAEDを探し、即刻、近隣の医院への電話があったのも、シナリオに書き込まれた通りに行動したに過ぎなかったのかもしれません(事前に、現場周辺について調べてあった可能性も…)。そして、‘襲撃してください’と言わんばかりの場所が演説会場に選ばれたのも、SPが動かなかったのも、奈良県警の警備が手薄であったのも、単なる偶然ではなかったのかもしれないのです。急遽、場所を変更したために暗殺された事件は、ケネディ大統領暗殺事件の他にも、第一次世界大戦を引き起こしたサラエボ事件があります。この時も、オーストリア皇太子夫妻を乗せた馬車は、速度が落とされるとともに、あたかも誘き出されるかのように射撃を受けやすい場所へと誘導されています。

 仮に、本記事で述べたような安倍元首相を襲撃するシナリオがあったとすれば、山上容疑者は、演技者の一人に過ぎないということになりましょう。安倍元首相暗殺事件は、組織的な背景をもった大掛かりな陰謀ということになるのですが、これによって問題が解決したわけではありません。何故ならば、現実は、シナリオを裏切っているからです。命を落とすはずではなかった安倍元首相は、何らかの手違い、あるいは、意図的に殺害(暗殺)されてしまったのです(なお、救命に当たった奈良県立医科大学での記者会見では、救命措置中にあった医師たちは安倍元首相の顔を見ていないとしており、安倍氏の他に別の死亡者が存在した?)。

 今般、メディアは、山上容疑者による単独犯行と決めつけたかのような報道を行っており、国民の関心を同容疑者に集中させようとしているかのようです(政治的報道は海外からの弔意など…)。しかしながら、政治的、並びに、組織的な犯行の可能性を最初から排除しているメディアの態度こそ、怪しいと言わざるを得ません。政治家の暗殺なのですから、本来であれば、組織的犯行の筋でも調べるべきですし、徹底的な調査なくして軽々しく断定すべきではない重大事件と言えましょう。国会にあって調査委員会を設置してもよいぐらいです。その一方で、ネット上では、一般の人々によって検証されそうな動画が次々と削除されているとの指摘もあります。安倍元首相襲撃事件であれ、安倍元首相暗殺事件であれ、何れの‘シナリオ’でも、‘山上容疑者の単独犯とする’と書き込まれているかもしれず、それは、今日の国際情勢とも深くかかわっているかもしれないのです(続く)。
 


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