今日の自民党総裁選挙は、党内派閥よりも党外派閥による混戦状態の様相を呈しているのですが、もう一つ、自民党には、重大な課題があります。それは、来るべき総選挙において同党が勝利することです(より厳密言えば、自民党勝利の口実を得ること・・・)。仮に、総選挙において与野党の逆転が起き、政権交代ともなれば、首相の椅子も失うことになるからです。ここに、総裁選びに際して‘国民の好感度’というファクターが加わることになるのです。
この課題に対して、自民党は、岸田内閣の支持率低下の原因を‘パーティー券問題’に矮小化した上で、‘自民党は生まれ変わります’、あるいは、‘党内改革を進めます’といった自民党の組織改革を強調し、国民にアピールする作戦をとっているようです。この点、‘古い自民党’のイメージが染みついていない上川陽子氏や小林鷹之氏は、好都合な候補者となりましょう。
しかも、若干の濃淡はあるものの、両氏共に(1)グローバリスト、(2)アメリカ、(3)中国、(4)宗教・新興宗教団体が相乗りできる候補者でもあります。何れも何らかの繋がりが推測できるのですが、報道されている情報からすれば、上川氏は、アメリカ、及び、創価学会とより近い一方で、かの中国派のドンを長とする二階派に属する小林氏は、どちらかと申しますと、中国色並びに元統一教会色が濃いのかも知れません。なお、同じく女性候補、かつ、アメリカ色の強い立候補者であったとしても、保守色の強い高市氏は共和党系であり、よりリベラルな上川氏は、米民主党が推しているようです(それ故に、中国は、女性候補者の中では野田聖子氏が最も望ましい?)。もっとも、各候補者に見られるこれらの支持母体の濃淡は程度の差に過ぎず、この点は、世界権力の多頭作戦(八岐大蛇作戦?)を考慮すれば容易に理解されます。
以上の推測からしますと、上川氏と小林氏の擁立は、世界権力による日本国民向けの対策と言うことになりましょう。メディア操作によって岸田政権並びに自民党に対する支持率低下の原因を、パーティー券問題に象徴されるような‘古い自民党体質’としてきた手前、フレッシュな人材をもって総選挙に臨む必要があるからです。つまり、自らが作成したシナリオに信憑性を与える一種の‘アリバイ造り’でもあるのでしょう。真の自民党離れの原因は、自民党が世界権力に取り込まれ、同勢力が描く未来ヴィジョンを実現するための実行機関にすぎなくなったにも拘わらず・・・(マスメディアの報道は信用を置けず、ワクチン接種の推進並びにデジタル化を強引に進めた河野太郎氏に至っては、国民からの支持は1%にも満たないのでは・・・)。
そして、‘古い自民党こそ変わるべき’とするアピールの姿勢は、世界権力の意向をキャッチした他の候補者達にも及んでいるように思えます。目下、何れの候補者も、自らが‘古い自民党’を壊す勇気ある‘改革者’のスタンスで選挙戦に臨もうとしているのですから。この結果、本来であれば国政上の政策論争となるべきところが、総裁選挙の場は、国民からの信頼を回復するための自民党の自己改革を訴える場となり、論点が本来の国政から逸脱するという奇妙な展開を見せているのです。
ここに、自民党総裁選挙を日本政治の末期症状の現れとした理由があります。日本国の政治が世界権力に取り込まれてしまった結果、選挙の場は多頭戦略による‘政治ショー’に過ぎなくなり、売国政治家に対する国民からの政治不信や改革要求が、政党改革低度に矮小化されてしまうからです。つまり、国民からの批判的な声が、黒幕である世界権力批判に向かったり、グレート・リセット路線からの転換要求に繋がらないように逸らしているのです(重要な政治課題が自己浄化という現状・・・)。つまり、日本国の政治は、世界権力が定めた極めて狭い範囲に押し込められ、その狭い世界で意味もなくメビウスの輪を描きながら循環しているのです。
おそらく、来るべき総選挙にあっても多頭作戦(八岐大蛇作戦?)が繰り返され、表向きの対立は見せかけに過ぎず、与野党共にメビウスの輪を回り続けることでしょう。果たして、このメビウスの輪から抜け出ることはできるのか、日本国民が真に必要としているのは、メビウスの輪から抜け出す知恵ではないかと思うのです。