レプリコンワクチンを製造販売しているMeiji Seikaファルマ社が、損害賠償を求めて原口一博議員を訴えた件については、幾つかの考えるべき疑問点があるように思えます。その一つは、原口議員一人が被告とされたのは、国会議員の地位にあったからとする同社の説明です。
体内で自己増殖を行なうレプリコンワクチンの危険性について、最初に指摘をしたのは原口議員ではありません。そもそも同議員は、従来型のワクチンが原因とみられる健康被害に苦しんだ自らの経験からmRNAワクチンそのものに対して危険性を訴えてきたのであって、新型のレプリコンワクチンについても、ワクチン被害者の立場から批判したに過ぎないのです。同社がネット上で12月25日に公開した「訴訟提起に関するお知らせ」を読みますと、同議員が「コスタイベ」について誤った知識を拡散させたことを重視しているようですが、仮に‘誤情報’が流布されたとすれば、その発信源は原口議員ではなく、研究者を含む内外の無数の有志の人々です。しかも、科学的には未検証の段階であったとしても、必ずしも‘誤った情報’とも言いきれず、危険性を多くの人々に伝えたいとする善意からの発信も少なくなかったのです(Meiji Seikaファルマ社は、逆に、ワクチン危険論が人々の命や身体を危険に晒しているとしているものの、実際には、ワクチン被害は相当数に上っている・・・)。
ワクチン懐疑論者の数は膨大ですし、科学的に安全性を証明することが困難であることから、Meiji Seikaファルマ社は、‘誤った知識’という曖昧な表現をもって原口議員のみにターゲットを絞ったのでしょう。確かに、報道に依りますと、原口議員は、‘生物兵器まがい’という表現を用いたり、同社を「731部隊」にも擬えたしたとされます。しかしながら、その一方で、12月2日に公表されたアメリカの議会下院の特別委員会による最終報告書では、「新型コロナウイルスは中国・武漢の研究所にまつわる事故で出現した可能性が高い」とした上で、米国立衛生研究所(NIH)がウイルスの「機能獲得」に関する研究のために武漢ウイルス研究書に資金を提供していたことを事実として認めています。この遺伝子工学を応用した生物兵器開発の事実は、そもそも米中両国によるCovid19が生物兵器開発の産物であって、人工ウイルスであった可能性を強く示唆しています。生物兵器の開発に際しては、通常、自軍の防疫や解毒のためにワクチンや治療薬をセットで開発しますので、mRNAワクチンも、‘mRNA兵器’のカウンターとして開発された、あるいは、ワクチンであってもウイルスと同様にスパイクタンパク質を産生するため、人体に対して有害性(殺傷性)があるとする説は、強ち‘誤った知識’とは言い切れないのです(この点、原口議員が、Meiji Seikaファルマ社のみを批判したとすれば、こちらの方も奇妙・・・)。
新型コロナウイルスの起源そのものが‘軍事的’である場合、原口議員の発言は、むしろ‘当たらずとも遠からず’となり、しかも、公共の利益にも関わりますので、刑法上の名誉毀損罪が成立するのかどうかも疑わしくなります。国民の多くがmRNAワクチンに対して不安を懐いており、国会議員の立場にあるからこそ、原口議員が国民を代表して疑義を呈したとすれば、この行為は、賞賛されこそすれ、批判されるべきことではないように思えます。否、仮に、裁判所がMeiji Seikaファルマ社の言い分を認め、国会議員は、政府が安全性を認めた限り、一切の疑問を呈してはならない、とする‘政府無誤謬’の見解を示したとすれば、それは、権力分立の危機ともなりましょう。議会は、政府に対する制御機能として行政監視の役割を有しているからです。つまり、政府に対する議会のチェック機能を解除してしまい、誰も政府の暴走を止めることができなくなるのです。
もっとも、政府が国民の基本的な自由や権利を侵害している疑いがある場合、権力が分立している国家では、憲法訴訟や行政訴訟等も認められており、国民が政府を被告として訴えることが出来ます。今日の政府は、議会、並びに、裁判所によって二重にチェックされていると言えましょう。今日、コロナワクチンに関する健康被害についても、既に遺族等の被害者団体が国を相手取って損害賠償を求める訴訟に踏み切っています。この点に鑑みますと、原口議員には、同議員側からの提訴という選択肢もあり得るのかもしれません。原口議員のケースでは、ワクチンが原因とされる自らの発病、あるいは、政府による‘コスタイベの承認に係るプロセス’の不透明性や安全性の観点からの妥当性を争うというものです(この場合、Meiji Seikaファルマ社ではなく、政府が被告に・・・)。
以上に述べてきましたように、Meiji Seikaファルマ社による訴訟の提起には、様々な問題性が含まれています。そしてこの問題は、‘そもそもCovid19とは何であったのか’という重大にして最大なる謎を解き明かさないことには、誰もが納得する結論には達しないのではないでしょうか。裁判の過程にあって真相が明らかになる可能性もありましょうし、アメリカ下院の特別委員会の最終報告書は、半ばこの謎を明かしてしまっているようにも思えるのです。