万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

猪口邦子参院議員宅火災の動画について

2024年12月02日 11時56分38秒 | 国際政治
 去る11月27日に猪口邦子参議院議員宅で発生した火災につきましては、様々な情報が飛び交っており、今なお不明な点が多く残されております。報道各社や警視庁等の発表内容にも一貫性がなく、事故であるのか、事件であるのかも分からない状況にあります。前者にしては不自然な現場の状況から後者である高いとする憶測もありますが、情報が不足し、かつ、フェイクニュースが混じっている可能性があるため、本日の記事では、同火災の真相に関する推測は控えるとしまして、テレビ局が放映した動画に見られる不審点だけを指摘しておきたいと思います。

 同火災の報道に際しまして、一つの動画が紹介されています。日本テレビ系の「情報ライブ ミヤネ屋」等で放映されたもので、その直後から‘放送事故’との批判が起きることともなりました。何故ならば、ベランダにあって轟々と燃えさかる炎を前にした人の姿が映されていたからです。同批判は、火災で犠牲となられた方の最期の姿を公開するのは報道倫理に反するというものであり、また、ご遺族の悲しみを慮って報道側の無神経さに眉をひそめる声もあったのです。激しいメディア批判の嵐が起きたために、同動画は視聴できない状態にあるものと思い込んでいたのですが、web上にあって削除されることがなかったのです(再生回数が1000万近く・・・)。

 問題視された動画が視聴可能な状況にある一方で、文字情報についてはその後、事件性を打ち消す方向の報道が増えているように思えます。政治家宅での火災ですので、安部元首相暗殺事件のように、明らかに矛盾点や不審点があったとしても、‘なかったこと’にされてしまう可能性もあるのですが、実際に問題の動画を視聴しますと、謎は深まるばかりです。

 日本テレビ側は、同動画は、一般の視聴者によって提供されたものと説明しています。この説明からしますと、火災現場の近隣の住民が撮影したものと推測されます。しかしながら、SNSでは既に同動画は、合成されたフェイク動画ではないかとする指摘があり、動画自体に対する疑問も呈されていました。今日では、生成AIを使用すれば、その道のプロではなくとも動画の加工や合成は難しいことではありません。フェイクの可能性を頭に入れた上で動画を改めて視聴しますと、確かに、合成されているようにも見えます。何故ならば、一続きの動画ではなく途中に断絶があり、およそ三つの場面がつなぎ合わされているからです。上述したフェイク疑惑の根拠は、最初のシーンではフェンスの外に立っていた人物が、その後のシーンではフェンスの内側にいることにあります。確かに、動画に映っていた人物の位置関係が不自然であり、最初から最後までを一つのカメラによって撮影されたとも思えないのです。

 この点、注目すべきは、二番目のシーンです。手にしたペットボトルを頭上に掲げ、液体を撒いているように見えるために、放火説が唱えられる根拠ともなったシーンです。このため、見る人の視線は同人物の動作に向かいがちなのですが、画面の右下側に注目しますと、そこには観葉植物のような植物の一部が映り込んでいることが分かります。地上6階の最上階ですので、周囲にこれを越える高さの樹木が植えられているわけでもありません。となりますと、二番目のシーンについては、ベランダの内側から撮影された可能性が高くなりましょう。

 ベランダ側にも監視カメラが設置されていたとも考えられますが、この説に従えば、動画の流出元として監視カメラを管理しているセキュリティー会社が最も疑われます。その一方で、第一番目のシーンは、明らかに外部から撮影されていますので、第一と第二のシーンは、別のカメラで撮影されたものを繋ぎ合わせたとしか考えられないのです。もっとも、二つの動画の合成であったとしても、ベランダの外側と内側という人物の位置の違いについてはこの仮説では説明が付きません。この点については、実際にはベランダに複数の人物が存在していたか(初期の報道と後の報道では、犠牲者数に違いもある・・・)、あるいは、同動画の各シーンはそもそも別の機会や場所で撮影され、火災の映像が加えられた可能性も生じてきます。

 最期に第三番目のシーンについて指摘すべき点があるとすれば、それは、むしろ過剰とも言えるSNSの反応です。何故ならば、同シーンでは、映像の人物はベランダ沿いに小走りに逃げているように見えるからです。同動画に対する主たる批判は、放送局が火災による犠牲者の最期の瞬間を公開するのは倫理に悖るというものですが、同シーンを見た多くの人々は、無事に避難したものと見なしたことでしょう。高層マンションのベランダには、避難用の階段が設置されているのが一般的であるからです。命が失われる瞬間でもなく、また、避難できた可能性を考慮しますと、テレビ局に対する頭ごなしのバッシングは、いささか酷なようにも思えます(世論誘導のためのSNS工作である可能性も・・・)。

 批判に晒された日本テレビ側は、「全国的にも関心の高いニュースの重要な情報を含んだ映像と判断した」と説明しています。以上に述べてきましたように、同動画に見られる不審点は、同火災が事件であった可能性を強く示唆しており、しかも、日本国の国会議員の自宅ですので、公開の判断は適切であったようにも思えます。そして、このことは、真相の解明には、先ずもって同動画の提供者について調べてみる必要がありましょう。なお、アメリカでも、同日、かの悪名高きロスチャイルド一族の一員であったウィル・ロスチャイルド氏が同様に不可解な火災で死亡しているともされ、何らかの国際的、あるいは、グローバルな動きとの関連性も否定はできないようにも思えるのです。

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