目下、東京都の火葬場は、民営化により中国系企業によって凡そ独占されている状態が続いております。しかも、同企業は、火葬事業のみならず葬儀事業までも手掛けるようになり、葬儀と火葬の一体化が進んでいるそうです。この結果、日本の葬儀事業者の方々は締め出される危機に直面しておられます。火葬費用が凡そ10倍以上に跳ね上がった上に、中国系企業による葬儀のスタイルは極めてビジネスライクで粗雑というのですから、これは看過できない問題です。
亡くなられた方々を遺族により沿って共に悼み、丁寧に弔おうとする日本古来の葬送のあり方や遺族の気持への配慮など、微塵も見受けられないのです。このままの手をこまねいておりますと、早晩日本の葬儀社の方々の事業が行き詰り、倒産が相次ぐ事態も予測され、東京都民の全てが、選択の余地無く中国系の葬儀社の手を経て乱雑に埋葬されてしまうという事態になりかねません。お葬式という儀礼に込められてきた日本人の死生観や精神文化も消えてしまうかもしれないのです。それでは、何か、有効な対策はあるのでしょうか。
今般の中国系企業による私的独占につきましては、独占禁止法における違反行為である疑いが濃く、公正取引委員会が扱うべき案件のように思えます。先ずは、公正取引委員会に動いていただく必要があるのですが、同委員会が調査を開始するきっかけの一つに、‘違反行為があると考えた人からの報告’というものがあります。
そこで、公正取引委員会のホームページにアクセスしますと、「相談・申告・情報提供・手続等窓口」というコーナーがあります。この中に、「独占禁止法違反被疑事件に関する申告」が設けられており、同欄には、申告手続き等に関する詳細な説明が記載されています。申告者は誰であっても構わないそうなのですが、実際に被害を受けておられる葬儀事業者の方々は情報量も多く、被害状況を正確に伝えることができますので、葬儀事業者の方々が直接に申告した方がスムースに手続きが進むように思えます。郵便や電話のみならず、オンライン申告もできます。なお、申告に先立って事前に本件について相談しますと、安心かつ確実かもしれません。
その後、公正取引委員会が調査を開始し、十分に審査した結果、違反行為であると判断された場合には、行政処分として排除措置命令が下されます(課徴金が科されたり、犯則事件として刑罰が科されることも…)。排除措置命令の内容につきましては、私的独占と判断された場合には(排除型と支配型の両方の判断があり得る・・・)、(1)火葬場を不可欠施設とみなす一方で、葬儀は同施設を用いた一般事業と見なす、(2)火葬も葬儀も別々の事業分野と見なす、という二つの立場があり得るかもしれません。何れにしましても、一部火葬場の他事業者への売却(各地の火葬場はそれぞれ単独で運営できるのでは・・・)、火葬事業と葬儀事業との分離、葬儀事業からの撤退、あるいは、葬儀部門の分割・譲渡などが予測されます。また、火葬場の所有に基づく優越的地位の濫用と判断された場合には、自社優遇措置の停止等が命じられることとなりましょう。なお、行政処分を待っていたのでは損害が拡大し、回復が不可能となる場合には、公正取引委員会は、裁判所に対して問題行為の停止を命じるように申し立てを行うこともできます。
ゆくゆくは東京都の火葬場も基礎的な社会的インフラとして公営化すべきなのでしょうが、中国系企業による独占問題の解決に向けた最初の一歩は、公正取引委員会の窓口への相談及び申告となりそうです。全ての人がやがて死を迎えるのですから、遺族の悲しみが癒され、亡き人々の魂も安らぐようなお葬式が今後とも営まれますよう、日本の葬儀事業者の方々には何としても頑張っていただきたいと思うのです。
亡くなられた方々を遺族により沿って共に悼み、丁寧に弔おうとする日本古来の葬送のあり方や遺族の気持への配慮など、微塵も見受けられないのです。このままの手をこまねいておりますと、早晩日本の葬儀社の方々の事業が行き詰り、倒産が相次ぐ事態も予測され、東京都民の全てが、選択の余地無く中国系の葬儀社の手を経て乱雑に埋葬されてしまうという事態になりかねません。お葬式という儀礼に込められてきた日本人の死生観や精神文化も消えてしまうかもしれないのです。それでは、何か、有効な対策はあるのでしょうか。
今般の中国系企業による私的独占につきましては、独占禁止法における違反行為である疑いが濃く、公正取引委員会が扱うべき案件のように思えます。先ずは、公正取引委員会に動いていただく必要があるのですが、同委員会が調査を開始するきっかけの一つに、‘違反行為があると考えた人からの報告’というものがあります。
そこで、公正取引委員会のホームページにアクセスしますと、「相談・申告・情報提供・手続等窓口」というコーナーがあります。この中に、「独占禁止法違反被疑事件に関する申告」が設けられており、同欄には、申告手続き等に関する詳細な説明が記載されています。申告者は誰であっても構わないそうなのですが、実際に被害を受けておられる葬儀事業者の方々は情報量も多く、被害状況を正確に伝えることができますので、葬儀事業者の方々が直接に申告した方がスムースに手続きが進むように思えます。郵便や電話のみならず、オンライン申告もできます。なお、申告に先立って事前に本件について相談しますと、安心かつ確実かもしれません。
その後、公正取引委員会が調査を開始し、十分に審査した結果、違反行為であると判断された場合には、行政処分として排除措置命令が下されます(課徴金が科されたり、犯則事件として刑罰が科されることも…)。排除措置命令の内容につきましては、私的独占と判断された場合には(排除型と支配型の両方の判断があり得る・・・)、(1)火葬場を不可欠施設とみなす一方で、葬儀は同施設を用いた一般事業と見なす、(2)火葬も葬儀も別々の事業分野と見なす、という二つの立場があり得るかもしれません。何れにしましても、一部火葬場の他事業者への売却(各地の火葬場はそれぞれ単独で運営できるのでは・・・)、火葬事業と葬儀事業との分離、葬儀事業からの撤退、あるいは、葬儀部門の分割・譲渡などが予測されます。また、火葬場の所有に基づく優越的地位の濫用と判断された場合には、自社優遇措置の停止等が命じられることとなりましょう。なお、行政処分を待っていたのでは損害が拡大し、回復が不可能となる場合には、公正取引委員会は、裁判所に対して問題行為の停止を命じるように申し立てを行うこともできます。
ゆくゆくは東京都の火葬場も基礎的な社会的インフラとして公営化すべきなのでしょうが、中国系企業による独占問題の解決に向けた最初の一歩は、公正取引委員会の窓口への相談及び申告となりそうです。全ての人がやがて死を迎えるのですから、遺族の悲しみが癒され、亡き人々の魂も安らぐようなお葬式が今後とも営まれますよう、日本の葬儀事業者の方々には何としても頑張っていただきたいと思うのです。
*本記事は、CAECのe-論壇「百家争鳴」において今年3月3日付けの記事として掲載されております。