原キョウコ ダンスセラピーラボ

ダンスセラピーという手法を通して心身の解放をサポートし、心と身体と魂をつなぐことを目標に、研究を重ねている場です。

死と再生

2010-11-12 | 徒然なるままに
大阪での
最終のセッションでは
即興を踊ってもらおうと思っていたが
テーマで大分悩んでいた。
が、さまざまなシンクロニシティがあり
新月ということもあり、
「死と再生。あるいは誕生」に。

東京の、自分のWSでは何回か行っているが、
テーマがテーマだけに
どこまで行ってしまうか分からない怖さもある。

迷っていたのは、
このテーマでやるべき、とわたしの直感は言っていたけれど、
このテーマが重すぎるのでは、
という方がいそうに思えたからだ。

どこまで深くダイブしたとしても
きちんと現実に引き戻って
着地してもらうべくサポートするのが
自分の仕事の重要な部分でもある。

ひとりひとりのなかにひそむ世界を尊重し、
何かあってもそれを引き受けるつもりで、臨んだ。


セッションの最初に、持って行った本を
役者さんの男性が朗読してくれた。

長田弘の「詩ふたつ」という本である。
今回参加してくださった、ある方からいただいたものだ。

死と生をテーマにした二つの詩から成る作品で、
クリムトの描く森や樹の絵が
ふんだんに盛り込まれている。

このセッションのテーマを語り、
無理にやらなくてもいいことを伝え、
少しずつ、泉に足を浸すように
それぞれがそれぞれの世界に入って行った。

…結果は、
プロセスを信じて大正解、だったように思う。
シェアのときにそれが感じられた。

参加したすべての方にではないが、
何人かの方にはこのテーマがとても必要だったのだ。

死して、また甦る。
大きな心的エネルギーを使って、
それを成し遂げたひとがいた。

いのちは死で終わるものではなく、
花がしおれ、やがてこぼれ出た種が
世界のさまざまなところに飛んでいく、
というイメージが出て来た、というひともいた。

自身の内的世界にアクセスし、
それに素直に沿って行くとき、
身体はただの器ではなく、
タマシイとともに踊っている。

そんなとき、
ひとは
とても美しく、
崇高で、
ただただ畏敬の念を感じる。


今回も得難い場に立ち会わせていただきました。



生きている間に
象徴的に「死」を体験すること。

それは自分もあるワークで体験したが、
今回行ってみて、
これは誰もが体験してみたらいい、
と確信できた。



コーディネイトしてくれた
大正まろんさん、
いつも楽しい打ち上げを共有できる 劇団「流星倶楽部」メンズ、
素敵な場所を貸してくださったウィングフィールドさん、

そして参加者の皆様へ
あらためて感謝です。


追記。

セッションの翌日は
京都の貴船神社へ。
清らかな川の
せせらぎの音がそれは心地よく、
とても柔らかな、やさしいエネルギーの場所で、
それをしっかりといただいて参りました。
水はいのちの源でもありますね。



そんなこんなを終え、
本日は静かに家で過ごしておりました。
誕生日だけれど、
特別なこともせず、
家でごはん。

思いのほか、
いろいろな方から
誕生日祝いのメッセージをいただき
びっくりです。
ありがとうございます。

この何年かで
わたし自身も
死と再生を体験しての
今日の日、
半世紀(笑)を迎えることができました。


静かな水のような一日でした。


やがて訪れる死をも包括しての、

再生記念日です。



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大阪WS報告。

2010-11-12 | 首都圏以外でのワークショップ
11/5,6と大阪は心斎橋、「ウィング・フィールド」でWSを行って参りました!

5月に続いて2回目となる、
劇作家大正まろんさんによるコーディネイトのこのWS。
場所も小劇場なので、役者をやっていたわたしには
何となく懐かしさを感じる空間なのであります。

5日は金曜の19時から2時間ということで、
週末の仕事帰りでも無理なく、ゆったりとしていただけるプログラムにしました。

このところ、
原点回帰として行っている「触れる」というワーク。
2時間はあっという間で、
その深さを感じていただけるところまで行けたかどうか、
というのが今回の反省点でした。

6日は午前3時間、午後2時間。
金曜から通して参加の方に加え、
土曜からの参加の方も迎えての一日。

午前中は脱力のワークを充分に時間をかけておこない、
さらに自由な身体を目指します。

ペアでゴロゴロと重さをかけ合うワークでは、
あちこちから笑い声が。
いやいや、こんなに喜んでいただけるとは(笑)

身体の緊張がほぐれていくということは
ココロの緊張もほぐれるということ。
我々が日頃生きている日常は、
思っているよりも緊張の連続で
思ってもみないところが
知らないうちに緊張しています。
でも、意識すれば状態を変えて行くことができる。
そういう自分の身体への「気づき」が
自分を変化させる小さな一歩になるのです。

あたりまえに行っていることが、
じつはどれだけ何か見えないものに
がんじがらめになっていることか。


身体のワークは
立ち止まって耳を澄ます、ということの連続にも思えます。
そして、自分へのケアの時間をふやすということが
今、誰にとっても、最も必要なことに感じます。



午後は即興でのダンス。

この日は新月ということもあり、
「再生」あるいは「死と再生」、「誕生」というテーマで。

とても感動的な時間でした。

それぞれの人生があり、
背負っているものもあり、
もう必要のないものからは
解き放たれていいのです。

そして、まだその時が来ていなければ
じっととどまる。

こうあるべき、ということを課すのではなく、
自分の深いところで感じていること、したいことが
身体を通して浮上してきます。

その時間と空間に立ち会っていました。

苦しみも喜びもひっくるめて、
それをわたしも受け取ります。

終わるまで、気が抜けない時間です。

でもこの時間が好きなのは
ひとってなんて美しい、崇高なものなのだろう、
と思えるからなのです。

そして、
大変なプロセスを
ダンスを通してやり遂げる方もいるからです。

誰かがぐっと深いところに入って行く時、
わたしのタマシイも同じく深く潜って行きます。

そしてそのプロセスを充分に体験されたら
浮上し、一緒に現実に戻ってきます。

きちんと現実に戻し、
着地させるというのが
セラピストの大きな役割のひとつであります。


…二日間があっという間でした。


夜は、流星メンズ&まろんさんのアテンドで、
今回も楽しくミナミ散策でございました。

そして、ブログを通して知り合い愛知から来て下さったRさん、Sさんと初めてお会いできたのはとても嬉しいことでした。

生きてるっていいね。


参加して下さったみなさん、
流星倶楽部のみなさん、
ウィングフィールドさん、
まろんさん、
今回も本当にありがとうございました。

まろんさんが言って下さったように、
「細く長く」、この大阪でのWSを続けて行けたら、と思います。

初めての方、ちょっとコワイけど興味があるという方、
コワくないですよ!(笑)
ぜひお越し下さい。
きっと、心地よい居場所を見つけられると思います。

次回は来年!!春かな。

それにしても大阪、
行くたびにますます好きになるな…♪
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