最近、自分で写真も撮らず、借り物ばかりで記事を書いています。
画像を返せ! 勝手に使うなと言われたら、すぐに消そうと思っています。
とりあえず、そういう人たちがいたのかとメモしないと、すぐに忘れてしまうので、メモしておきます。興味がないことなら、明日にでも忘れているでしょうし、縁があることなら、そのうちに実物を見るチャンスもあるでしょう。
とりあえず、今は、心の片隅に置いておくだけです。
冒頭の画像は、NHK名古屋の作った番組で、愛知県の岡崎市出身の内藤ルネさんの生涯を振り返る番組の中で、何度も使われていたキャラクターでした。
内藤ルネさんは1932年生まれ、うちの父より年下の方でした。おっとりとしていて、キョトンとした方だった、というふうな印象の方だったとか。
でも、東京に出て、中原淳一さんのところに行き、あれこれ勤めているうちにチャンスがめぐってきて、イラストを描く機会を与えられたということでした。
中原淳一さんは、クリックリの女の子を描いています。1913年生まれで、奥様は宝塚出身の男役だったそうです。子どもさんたちも芸能界やら、あちらこちらで活躍されているみたいだから、それなりの業績をうちたてられた人なんでしょう。
その中原さんの傘下で、独自の世界を打ち立てたのが、ルネさんでした。
テレビでは、姪っ子さんが出てきて、家族旅行に出かけたときの話や、母と叔父との話などを語っておられました。叔父さんは叔父さんではなくて、「ルネさん」と呼ばねばならないような、そういう不思議な存在だったそうです。
ルネさんは、のちに「薔薇族」という同性愛の雑誌の表紙を描き続けるくらい、そちらの方面でも活躍した方だったそうです。人形も集めていたけれど、その美術館をつくろうというところで詐欺にあい、すべての財産・著作権を失い、現在は彼の作品すべては彼以外の管理する会社に引き取られているということでした。
クリエーターというのは、ビジネスで少しは成功したとしても、経営者としてはなかなかうまく立ち回れなかったというところでしょうか。
彼の師匠の中原淳一さんの著作権も管理会社が管理しているということですし、お金になるものはそれなりにどこかで管理されるということでしょう。
彼らの先輩の竹久夢二さん、1884年生まれ、くらいになると、芸術の世界ですから、著作権云々はまた違っていくのだと思われます。亡くなって数十年したら、著作権もなくなってしまうのかな……。
竹久夢二さんの次の世代として、高畠華宵(たかばたけ かしょう)さん、1888年生まれ、という少女画家さんもいたようで、やはりビジネス・挿し絵・イラストで一世を風靡したみたいだけど、今となっては、何だか古めかしい。
竹久夢二さんはお芸術になってしまった。高畠さんは時代に合わない。中原さんのはなかなか物珍しいし、うまく売れば、まだまだ通用する何かがある。
そして、内藤ルネさんは、忘れられていたけれど、改めてみたら、すごくポップで、今風であった。というわけで、少しブームが来ているようです。
せいぜい、現代によみがえらせてもらって、使えるところは使って、現実にはありえない少女たちの世界(の理想)を、私たちに見せてもらえたら、私たちは、「おもしろい世界があるね」と感心するでしょう。
明日になったら、私は忘れてしまうでしょうけど、今の若い人たちは、竹久夢二、高畠華宵、中原淳一、内藤ルネ、これらのイラストレーターたちの世界を、どんなふうに愛していくんだろうな。
できれば、せっかく切り開かれた世界なのだから、日々新たにしてくれたらいいんだけれど、さて、どうなることか……。