吉原の滞在は2時間程度、できたらテキパキと電車の写真を撮らなくちゃいかんのです。でも、横道好きの私は、肝心なことをしないで、田子の浦で船とか港とかを楽しんでいました。
富士山はすぐそこにあるのに、電車は1時間に2本だけ。吉原に着いてすぐの電車は、乗ろうと思えば乗れたのに、駅でフラフラしている間に出て行ってしまった。というわけで、田子の浦に出かけたわけでした。時間は二十分程度のつもりでした。
ところが予想外に楽しくて、どんどん港の奥の方へ歩いていきました。それで、もういいや、次の電車にしようと思ったのです。2時間しかないのに、1時間を田子の浦で過ごすことにしました。
津波の避難タワーもあったので、登ったら真正面から富士山が見えるかなあと、遊びで上がってはいけませんという注意書きはあったけれど、遊びではなくて、観光だからまあいいかと登りました。
港もキレイに見下ろせるし、富士山も真正面です。「おい、何をしに来たんだよ。」と呼ばれているみたい。避難タワーの下では、三十代くらいの大人の人たちがサッカーを熱心にしているし、年末の静岡の町を歩いている感じです。
でも、肝心の電車はどうなるの? すでに1日乗車券は買ってしまったんですよ。終点までが360円だから、往復すればもとがとれる七百円でした。でも、時間がないのに、電車に乗っていない。
そこでまたも私はよくないことを考えました。あとしばらく時間はあるし(十分くらいかな)、一度西に向かってふたたびグルッと東に曲がってくる電車の路線だから、まっすぐ北に向かったら(まっすぐ富士山に向かったら)、電車の路線にぶつかるじゃないの? だったら時間はあるし、歩いてみようと思ったのです。
駅から人気のない工場街のようなところを国道とかが東西に走っているだろうから、何度か越えたらすぐに電車の路線だろうと……。
まっすぐ北に向かい、お昼休みの工場から、ユニフォーム姿の人々が出てきます。みんな歩いて出てくるけれど、食べられるお店みたいなところがあるんだろうか。コンビニはいくつか見かけたけれど、どうなんだろう。
とにかく目の前を横切る電車の姿は?
行けども、行けども、まっすぐな道の向こうに踏み切りや人が住む町が見えなかった。巨大な工場のまんまえをひたすら歩きました。ダンプやら、トラックなどが走りすぎます。年末のお昼だから、それほどではなかったのだろうけど、わりとクルマは走っていた。バスはなし。レールがなかったら、ふたたびもどらなきゃいけないけれど、そんなわけはないはずだけど、見えない。
ほんの少しで到着して、13時の電車に乗るつもりが、乗る電車がないのです。こんなことならしばらく待って、吉原駅から乗ればいいものを、つい余計なことを考えてしまって、こんな目にあっている。
お腹も空いていました。約40分ほどまっすぐに歩いて、岳南原田という駅を見つけました。吉原から四番目くらいの駅でした。途中の駅は私には見つけられなかった。だから、こんなとこまで歩くことになった。予定の時間は残り30分しかありませんでした。
でも、こうなりゃ、予定を延ばして電車に乗るしかなかった。
下り電車が来ました。これで終点まで行くしかない。
上り電車は工場の下からしぼり出されてやってきた。ここは夜なんかのライトアップが有名で、工場と電車の夜景というのが少し有名です。富士にお泊まりならそれも可能だけれど、私はふたたび数時間掛けて三重に戻らなくてはなりません。
泣く泣く下り電車で岳南仁尾(えのお)をめざします。
仁尾には、ふだんはそのまま置いてあるかぐや姫号があります。静かな2両編成は、どこまでも行けそうなのに、どこにも行かないでじっとそこに待機しています。まあ、動かなくてもいいから、とにかく動ける可能性を残してくれたら、ファンはそれでうれしい、というところかな。
岳南電車すべての駅が、富士山のビューポイントを持っていて、ここから見えると教えてくれます。たしかに建物に隠れたり、工場が邪魔したりいろいろなのです。
というわけで、折り返し運転の電車に乗り、ついでに整理券発行機の上の正月飾りを撮って、吉原にもどりました。
帰りは、ひたすら帰った。弁天島あたりの夕景はとてもきれいで、新幹線も光の列を走らせていた。
富士山はすぐそこにあるのに、電車は1時間に2本だけ。吉原に着いてすぐの電車は、乗ろうと思えば乗れたのに、駅でフラフラしている間に出て行ってしまった。というわけで、田子の浦に出かけたわけでした。時間は二十分程度のつもりでした。
ところが予想外に楽しくて、どんどん港の奥の方へ歩いていきました。それで、もういいや、次の電車にしようと思ったのです。2時間しかないのに、1時間を田子の浦で過ごすことにしました。
津波の避難タワーもあったので、登ったら真正面から富士山が見えるかなあと、遊びで上がってはいけませんという注意書きはあったけれど、遊びではなくて、観光だからまあいいかと登りました。
港もキレイに見下ろせるし、富士山も真正面です。「おい、何をしに来たんだよ。」と呼ばれているみたい。避難タワーの下では、三十代くらいの大人の人たちがサッカーを熱心にしているし、年末の静岡の町を歩いている感じです。
でも、肝心の電車はどうなるの? すでに1日乗車券は買ってしまったんですよ。終点までが360円だから、往復すればもとがとれる七百円でした。でも、時間がないのに、電車に乗っていない。
そこでまたも私はよくないことを考えました。あとしばらく時間はあるし(十分くらいかな)、一度西に向かってふたたびグルッと東に曲がってくる電車の路線だから、まっすぐ北に向かったら(まっすぐ富士山に向かったら)、電車の路線にぶつかるじゃないの? だったら時間はあるし、歩いてみようと思ったのです。
駅から人気のない工場街のようなところを国道とかが東西に走っているだろうから、何度か越えたらすぐに電車の路線だろうと……。
まっすぐ北に向かい、お昼休みの工場から、ユニフォーム姿の人々が出てきます。みんな歩いて出てくるけれど、食べられるお店みたいなところがあるんだろうか。コンビニはいくつか見かけたけれど、どうなんだろう。
とにかく目の前を横切る電車の姿は?
行けども、行けども、まっすぐな道の向こうに踏み切りや人が住む町が見えなかった。巨大な工場のまんまえをひたすら歩きました。ダンプやら、トラックなどが走りすぎます。年末のお昼だから、それほどではなかったのだろうけど、わりとクルマは走っていた。バスはなし。レールがなかったら、ふたたびもどらなきゃいけないけれど、そんなわけはないはずだけど、見えない。
ほんの少しで到着して、13時の電車に乗るつもりが、乗る電車がないのです。こんなことならしばらく待って、吉原駅から乗ればいいものを、つい余計なことを考えてしまって、こんな目にあっている。
お腹も空いていました。約40分ほどまっすぐに歩いて、岳南原田という駅を見つけました。吉原から四番目くらいの駅でした。途中の駅は私には見つけられなかった。だから、こんなとこまで歩くことになった。予定の時間は残り30分しかありませんでした。
でも、こうなりゃ、予定を延ばして電車に乗るしかなかった。
下り電車が来ました。これで終点まで行くしかない。
上り電車は工場の下からしぼり出されてやってきた。ここは夜なんかのライトアップが有名で、工場と電車の夜景というのが少し有名です。富士にお泊まりならそれも可能だけれど、私はふたたび数時間掛けて三重に戻らなくてはなりません。
泣く泣く下り電車で岳南仁尾(えのお)をめざします。
仁尾には、ふだんはそのまま置いてあるかぐや姫号があります。静かな2両編成は、どこまでも行けそうなのに、どこにも行かないでじっとそこに待機しています。まあ、動かなくてもいいから、とにかく動ける可能性を残してくれたら、ファンはそれでうれしい、というところかな。
岳南電車すべての駅が、富士山のビューポイントを持っていて、ここから見えると教えてくれます。たしかに建物に隠れたり、工場が邪魔したりいろいろなのです。
というわけで、折り返し運転の電車に乗り、ついでに整理券発行機の上の正月飾りを撮って、吉原にもどりました。
帰りは、ひたすら帰った。弁天島あたりの夕景はとてもきれいで、新幹線も光の列を走らせていた。