先日の土曜日の朝、奥さんは「モズが鳴いている」と言ってたけれど、あれはモズではないと思いました。「じゃあ、モズはどんなふうに鳴くの?」と訊かれたら、もちろん答えられません。もっと高い声じゃなかったかな、という程度の感覚です。
たくさん鳴いてるそうですが、何度も私は聞き逃しています。
せっかく見つけて、声を聞いたと思ったのもつかの間、すぐにどこかへ行ってしまいます。ああ、モズさん、生で声を聞かせて欲しい。
「だったら、カメラなんか持ってないで、もっとあちこち歩きなさい!」
確かにそうです。私は歩く量が不足している。ちっとも歩いていない。
夕方の月を見ても、ああ、もう夕暮れだ。家に帰ってお酒飲もう。
そんなことしか考えないのです。どこかに歩くという前提がない。歩く気力はもちろんない。外は寒いし、家に帰ったら飲むばかり。ああ、体はどんどんギシギシになっていくぞ。
電信柱は、ポツンと立っています。私は、夕暮れの向こうに行きたいと思いつつ、三重県に住んでいますから、山の向こうを思うだけです。
太陽はすべて海の向こうから上がってくるんだけど、太陽はすべて山の彼方に沈んでしまうんです。あれ、伊賀地方の人はまた違う太陽感覚を持っているんだろうな。伊勢と熊野の三重県人は、だいたい同じじゃないかな。
友人は、山に沈む夕陽は嫌いだと言ってたけれど、私はこれは三重県の大きな魅力の一つだと思っています。そして、つまらない夕暮れ写真を撮るのでした。
津市の一番の繁華街のところに、県ナンバーワンの銀行が本社ビルを建てました。すごく立派だし、有名な建築家のデザインなんでしょう。ここが見学できたら、それは楽しいのにね。
こちらは県庁前の、少し淋しい信号です。
津市って、南北に走ったら、すぐに終わってしまうんですよね。何だか魅力ないなあ。
そんな夜がありました。信号待ちの度に、写真撮って遊んで帰ってきました。いつか飽きるだろうか。