甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

クリスマスのわたしたち

2016年12月26日 05時37分30秒 | Back To The 80's
 身を切られるような寒さ、というものを最近は体験していません。一度そういうのを味わいに行かなきゃいけない気がします。何だか最近ヌクヌクとしていて、自分自身は小さくなっていて、まるで木の穴に閉じこもる小動物みたいな毎日です。なかなかそういう寒さを感じていない。

 昔、山梨に住んでいた頃、バイトでガラス磨きをしたんですが、これは毎日寒くて、寒いの寒くないので、めちゃくちゃ寒かったのです。寒さのナイフに突き刺されていた。

 朝が一番厳しかった。友人が運転する軽トラに乗り込みますが、車内はこれまた寒かった。暖房を入れてもあまり効かなくて、いつまでもあたたまるのを待ち続けなくてはならなかった。

 バイトは、公的な建物に出向き、そちらの窓を最初は水拭きなどをして汚れを落とし、そのあとにワイパーのようなものを使って、キレイに拭き取ってピカピカにする仕事でした。

 お昼は近くのお店でモツ煮などを食べたり(初めて食べて、イマイチその食感についていけずに残しましたっけ……)、コンビニというものがなくて、あれこれ苦労していた気がします。たしか、中央道が開通しておらず、そこのサービスエリアみたいなところの整備のような現場にも行きました。

 それらの仕事が一通り済むと、夕方になって、家に帰る頃、ああ、今日も1日がんばった。帰ったら、今日、何を食べようかなとか、すぐに夜食べるものが心配になったりしましたっけ。

 あのバイトは、どこで見つけたお仕事なのか、だれが運営主体のエライ人なのか、まるで憶えていないけれど、寒さだけは、頭の片隅にあります。とても寒かった。

 北関東や甲信越の冬の寒さなんて、寒いのは当たり前で、カラカラで突き刺す寒さだったんでしょう。それをひたすらコタツ1つで耐えようとしていた時代がありました。



 家に帰ると、近くに彼女が住んでいました。彼女とは2ヶ月前からつきあっていました。彼女は、クリスマスは忙しい人でした。歌を歌ったり、夜の町を集団で歩いたり、あれやこれやと忙しくしていた。

 そんな彼女に、夜になると会いに行き、今日一日あったあれこれや、ふと思いついた話やら、まだまだ話し足りない日々があったのです。バイトで冷え冷えになっていても、彼女に会えばホッコリすることができて、彼女に会うためにバイトをしているような、バイトは何のためにしているのかわからない、とにかく夜だけは楽しい、そういう年末の日々でした。

 クリスマスは、家族で過ごすものでした。前年までは必ず家族と一緒でした。ところが、その年は違っていて、どういうわけか山梨で寒い冬を過ごしていた。たまたま彼女を見つけて、夜に会いに行った。翌朝は早いのですぐに引き上げなきゃいけないけれど、彼女と一緒にいると、ふたたび明日厳しいバイトに立ち向かえる気がして、とにかくそれだけが楽しみでバイトをやっていた。

 その彼女が、クリスマスの夜は帰りが遅くなるということでした。どれくらい待ったんだろう。夕ご飯も食べて、ずっと待ち続けて、待ちくたびれて、やっと彼女が帰ってきた。

 その夜の寒さを全部持ったまま彼女は現れ、今日会った出来事をあれこれと話してくれたでしょうか。そのあたりはまるで憶えていないのです。ケーキを食べたかも憶えていないし、プレゼントの交換もしていない気がする。したんだろうか? ただただ、2人でクリスマスを過ごすということがうれしくて、こんな幸せな夜があるもんなんやなあとひたすらうれしかった気がします。

 クリスマス以後もバイトは続いたんでしょうか。昔の日記見ないとわからないですね。



 さて今も、朝仕事に行き、夜帰り、当時の彼女と一緒に暮らしていますが、あんなにワクワクしつつも、何だか不安というのか、頼りない気分であったことはなくなって、夜帰ると、ドッシリとした奥さんにすべてまかせて、ホイホイとお酒を飲んで、フラフラになるばかりです。

 昔みたいな甘い気分にはなれないし、昔みたいに一生懸命にあれこれ話をすることがありません。頭の中はカラッポで、何も言葉が出てこない。言葉よりも動作でしか気持ちを表現できなくて、たまに口から出る言葉は、空腹とトイレとくらいしかありません。

 もっと奥さんにあれこれ話のできる人になりたいのに、ブログで昔話しか書いてませんよ。いかんなあ。よくない傾向です。




★ 奥さんによりますと、私から彼女のあげたプレゼント、「そんなのあったかなあ」ということでした。そりゃ、私だって憶えてないんですから、奥さんが知らないのも無理はない。

 彼女からは、「よあけ」という絵本をもらいました。その時、「ああ、クリスマスって、こうしてプレゼントをやりとりする習慣があるんだ。」と初めて知った、というような記憶があるので、たぶん、あげなかったんだと思います。ちゃんと知っていたら、何か工夫したと思うんだけど、なにも知らなくて、バイトに明け暮れていたんですなあ。

 「よあけ」って、私たち2人にはふさわしい絵本だなあと、選んだ彼女のセンスにも感心したんです。ありがたい奥様です。いや、この時はまだ彼女でしたけど……。


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