お盆の頃、18キップで大阪に行きました。キップは買ったけれどなかなか遠くには行けなかったので、とりあえず赤穂市に行ってみました。大阪から2時間くらいでしょうか。
岡山の日生(ひなせ)と赤穂が私の中でこんがらがっていて、とりあえず海辺の街に行きたかったので、日生は置いておいて、とにかく赤穂市で海を見てみよう、そういう気分で赤穂に行きました。何しろ塩で有名な町ですからね、絶対に海があるはずです。
赤穂の1つ手前の坂越(さこし)という駅を見つけました。無人駅にはなっていましたが、それなりにお客さんの乗り降りがありそうな感じでした。そして、駅名表示板の近くに、古い街並みがあると書いてありました。1キロと少しだから、歩いて行けそうです。
「よし、帰りにのぞいてみよう。とりあえず、あとひと駅乗ろう」と、
赤穂の駅に降り立ちました。そして、お城を巡り、お昼にスキヤの牛丼食べたら、わりと満足はしていました。もうそのまま帰ってもいいくらいの満足感がありました。
しかし、坂越でおりてみました。山の方へ向かっていきました。千種川を越えました。
わりと静かだし、一緒に降りた女の子たちはどこかへ消えてしまった。私は、とにかく坂を越えて町に入らなくてはならないのです。どれくらいの坂なんだろう。きびしい坂はいやなんだけどなあ。
地下道があって、これは通学路としても利用されているようでした。PTAの方々の描いたタコみたいでした。子どもたちが壁画を描くというのはよくあるパターンだけど、ここではPTAの方々が活躍している。まあ、海沿いの町だから、タコの絵はありですね。明石のタコは有名なのだから、赤穂でもタコがいてもいいわけです。少しずつ坂が迫ってきます。
もっと厳しい坂をイメージしていましたが、そんなにきつい坂でもないようです。でも、左右から山が迫っていて、ゆったり上がれるのはここだけのようです。あとは山に遮断されている。そして、山の向こうには海が広がっているはずでした。まさか、海があるのか、とても海があるとはイメージできないけれど、坂の向こうに港町があるそうです。
古くからある町なので、一度のぞいてみなくてはならないのです。そこにたどり着く前に、両側におしゃれな古民家カフェや雑貨のお店があります。どうして昔からの町は、こうしたおしゃれな町に変貌できたり、そのままゴーストタウン化したりするのか。両極端です。その分かれ道は何なのか、私の最近のテーマでもあるので、知りたいところでした。
とりあえず、ここは歴史があり、海があり、都市にも近く、駐車場はあまりないけど、地酒の店もあり、何だか人を誘う町です。だから、とりあえず残っている。観光客も意外とたくさんいます。みんなおクルマで来られているようで、18きっぷみたいなシブチンの旅人はいません。路線バスを利用している人はいたのかもしれないな。
造り酒屋が公開されていて、私もそちらをのぞかせてもらいました。今はこうして蔵やお店を公開しているところがいくつかあって、こちらもそうでした。利き酒もさせてくれるみたいでした。電車で来ている私は、できればお酒でも飲ませてもらえばよかったのに、余裕がなかったのか、それとも暑かったせいか、日本酒どころではありませんでした。