18キップで1日だけ、雨の名松線往復の旅に出たことがありました。
せっかくのサクラの時期ではありますが、あいにくの雨の日しか電車に乗れませんでした。
でも、一両だけのワンマンカーはお客がいっぱいで、ボックス席はすべて埋まっていました。まあ、二人で乗っているのはご夫婦くらいで、たいていはオッサンがひとりポツンとボックス席を占めています。
みんなオタクなんだから、「どんな写真撮れたの?」「どこに行くの?」「今からの写真のポイントは?」などの情報交換をしたらいいのに、なかなかオッサンはその壁が越えられませんね。
オッサンが壁を越えるには、異質の存在が必要です。小学生たちが遠足で乗り込んでくるとか、困ったおばあちゃんが助けを求めているとか、車両がシカとぶつかりそうとか、何か壁を越えさせる力がそこにあると、オッサンたちは改めて自らが作ってた壁を壊そうと少し努力するでしょうか。
そう、オッサンが自らに壁をこさえているのは、なるべく省エネで生きていくための彼らの知恵なんでしょうね。女の人は、壁を簡単に越えられるし、そもそも意味のない電車遊びなんてしないでしょう。つまらない写真をあれこれ自分のこだわりで撮ってみて、ひとり悦に入るなんて、何ともいじけた趣味ではあります。
もっとみんなで楽しくオタクになるには、オタク仲間として前段階で知り合っておかなきゃいけないな。急には無理だよな。壁を壊す突破力ないもんな。
その時の俳句メモです!
1・駅の壁に「最強伝説」春の雨
2・車窓には下校の自転車サクラ雨
3・川沿いのサクラは咲いてツバメ飛ぶ(そのままのスケッチですなあ)
4・家々の自慢のサクラ雨の中
5・窓越しのサクラに心も開けてみる