甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

波乗りオヤジの悲哀と輝き

2021年10月01日 21時28分56秒 | 海と水辺と船と

10月1日の朝
 台風は八丈島から神津島・三宅島のあたりに向かっているそうです。お昼頃に関東に近づくし、千葉県内の鉄道はその頃ストップするということでした。

 三重県は、ただのくもりで、昼からは晴れてものすごい暑さになるということです。今も少しだけ蒸し暑いかな。気温は25度前後なんだろうか。
(ところが、そんなに暑くはならず、台風はものすごく遠いところ、千葉県の銚子の沖合何キロというところにあるのに、何百キロ離れたこちらでもものすごい風でした。昼あたりからずっと吹き返しでした!)

 朝、海に行ってみました。伊勢湾は、台風の影響がほんの少しだけあるのか、少し波があるということなのか、サーファーが三人、波打ち際であれこれしているようでした。波には乗り切れてはいなかった。あまり動いてないようでした。いい波が来てなかった証拠だったのか……。

 その人たちと離れたところで、何度もひっくり返っているオジサンが見えました。オジサンとわかるのは、体型がむっくりしていて、立ち方も若者らしくなかったからです。もう立っている姿だけで、そういうのをたたずまいというのかな、オッサンとわかってしまう。

 でもまあ、平日の朝からサーフィンしてみようというんだから、こだわりのある生き方をしているんでしょう。波打ち際なのに、スッテンコロリンを繰り返しているし、その転倒したときの両足のお手上げな様子、それがいかにも哀れで、オッサンらしかった。

 そういえば、頭もツルピカみたいで、そんな頭なのに、板の上に乗ろうとするし、なかなか波はつかまえられないし、何にやってんだか、というところでした。そもそも、どうしてこんなところでサーフィンをしているの? この浜辺では初めて見る光景ではありました。

 私は、干潮になっている波打ち際まで歩いていました。濡れたくはないから、それなりに離れているけど、オジサンの姿に魅入ってしまっていたようです。写真も撮らないし、オジサンの動作の一挙手一頭足を見ていた。オジサンは、ほんの少し沖へ出て、わりと短気に波に乗ることにした。すると、今度来た波はわりとイメージに合ってたのか、もうすぐ波打ち際というところまでずっとオジサンを運んでくれました。なんとまあ、声でも聞こえそうなくらいにこちらに近づいてきたではありませんか。

 これはきっかけでした。私ものん気に散歩している場合ではなかった。すぐに戻ってお仕事をしなくてはならなかったんです。でもまあ、サーフィンのオジサンの勇姿も見ることができた。

 そのオジサンは、満足したのか、浜に上がり、三人グループの方へ近づくのかな思って見ていたら、そのまま堤防の方へ向かい、消えていきました。私も同時に帰ることにして、台風で荒れている浜辺はどんな様子かなと見に来たけれど、それほどのことはなくて、確かに打ち上げられた物はいつもよりも多かっただけでした。こちらは最近はそれほどの大雨にもなっていないし、陸側から流れた物はそんなになかったのでしょう。どちらかというと、長い間漂ってた物が、ようやく再び陸地に戻ってきた、そういう漂着物だったようです。



 帰る途中、ハトたちに占拠されているキレイなアパートのバルコニーを見ました。同じ建物の反対側は、ネットで鳩たちを遮断しているので、ハトたちはいませんでした。でも、せっかくのバルコニーなのに、囚われの身のような雰囲気で、解放されてるのかというと、閉鎖されたところにいる感じで、洗濯物を干したり、ベランダ園芸にはいいだろうけど、やるせない。とはいえ、バルコニーに鳩の群れが一日中いたとしたら、それはそれで不気味だし、不本意だから、そこに住むのであれば、ネットをするか、何かハト対策をしなくてはいけない感じがしました。自然はお構いなしです。生きられると思えばそこに住み、追い払われるのであれば、そこを去って行く。生きやすいところで生きて行く、それが自然というものでしょうか。

 キンモクセイも、どこからか匂ってくるところと、そうでないところとまだらにあって、同じ空間にありながら、匂いによってあれこれ見えないけれども仕切られている、その見えない仕切を切り裂いて、歩いて行きました。そんな朝の散歩、なかなか優雅なものでした。何だか余裕を感じますね。本当はそんな余裕はないはずなんですけどね。


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