嵐を前にしているボクら
ボクらは波打ち際に立つ。
激しい波に呑まれそうだ。
幾重にも積み重なった波が渾然一体となって方々から押し寄せる。
ボクらは声をなくしている。
言葉を発することができなくなっているのだ(どうして?)。
恐ろしい海が野太い声で、ゆっくりとボクらを呼んでいるのか。
脅しに乗っちゃいけない。
波は襲いかかって来るけれど、うろたえたら負けだ。
じっと動かないで、この時間を耐えなきゃいけない。
誰かが助けに来てくれるかもしれない(来ないかもしれない?)。
できることなら、動かずにじっと耐えていたい。
動いちゃだめさ。
いつかは激しい波も落ち着くはずだ。
ボクらは波打ち際に立つ。
みんなでボンヤリと海を見ている。
海はボクらに襲いかかるのか、そうでもないかもしれない。
ボクらは変に動かないで、じっと耐えてしっかりと考えたい。
嵐の前の感覚、少しだけ感じています。
世界は騒然としています。何万人もの子どもたちの命が奪われ、みんな食糧危機に陥っている。でも、誰も助け切れていない。当事者たちは何をしているのだろう。知らないわけはないのに、大義のためにはそれくらいの犠牲も仕方がないなんて、どこかのおバカな世界ではないのだから、今すぐにみんなで止めさせなきゃいけない。
経済のためなら、共同開発した攻撃機、それを売ってもいいと決めた! 平和も何もなくて、あるのは利権だらけ。ヤツらは、それで平和が守れるとでも思っているのか。
たくさんの犠牲が出ても、自分たちさえよければそれでいい、なんて思ってないかな。いや、むしろ、その発想からすべてはスタートしているんだろう。ヤツらの財産を守るための武器なのだろう。命は、そりゃ、何人かは犠牲になるだろう、という発想なのかな。
何だか、情けなくなることばかり。ちっとも心は穏やかにならないよ。感動の押し売りも要らない。スーパースターの大活躍も要らない。穏やかに毎日が過ごせたらそれでいいけど、それが一番難しい。