英国の駐米大使が、本国への報告の中で、トランプさんは無能だ云々と語っていたと報じられました(トランプさんそのものは、支持してくれる人々の代表としての役回りを忠実に演じているのでしょうか)。
大変なことが起きてしまいましたが、英国のメイ首相は、大使を守る姿勢を見せました。自分たちが送った大使が、相手国のトップをけなしていたのです。秘密の報告だったと思われますが、それをすっぱ抜いた人たちがいたのでしょう。
そういうことが世界中に知れ渡って、米国の大統領のトランプさんは、「こんなヤツは相手にしない」とツイッターに書きました。そんなことをしないで、大使に直接電話で抗議すればいいのに、そんなことはしないし、悪口を言っている本人に直接話をするというのは今風ではありません。
今の流れは、ネットに書き込んで、さんざん話題をかき立てて、お互いを傷つけあって終わりで、もう関係は終わってしまいます。そこにお互いの配慮や友情が入り込む空間はありません。利害関係でもあれば、再交渉もあるかもしれないけれど、基本はケンカ別れになります。
かくして、駐米大使は今日、辞任することになったようです。これでケリはついたのでしょうか。
いつから、ツイッターは、偉いお方のメッセージを表明する場所になったのか。
トランプさんは、マスコミを通じてメッセージを述べるのを嫌っています。マスコミやメディアというのは言葉をねじ曲げ、自分たちの都合のいいようにでっち上げたり、ウソを書いたりするというのが、トランプさんの考えです。それで、自らの言葉で自らの主張をツイッターで表明するようになりました。昔からツイッターを愛用されていたのかもしれません。
ツイッターって、悪口や非難を増幅させ、人間関係を悪化させるには最良のメディアで、若い人や政治家さんもたくさん利用されているのでしょう。私も、時々は使わせてもらっていますが、なるべく他人の非難はしないように、なるべくブログの宣伝になるようなことを書くくらいで、いい利用者ではありません。できれば、距離を置きたいくらいです。
信念の人トランプさんは、メディアを信じず、直接に自分の言葉で意見を述べられるので、マスコミの変な加工がない分いいし、無料だし、これからも利用していくんでしょう。
メディアって、信じられない、信じてはいけない空間であるというのは、最近の日本の事情を見ていると、少し感じます。メディアに関わる人たちが、どれくらい必死になって報道しているのか? 少し不安です。みんな適当な情報で、ネットの後追いで、自分たちがスクープしたものは何もなくて、いい加減な仕事をしているのではないか(そんなことはないのだろうけど)、という気になることもあります。
それなりに努力をしているのだと思われますが、公式見解をそのまま垂れ流しているだけだったり、自分たちの機械で勝手に出てくる調査結果をそのまま無批判に流したり、あまり真実を報道しているように見えないのです。
政府が、韓国に対して、輸出規制措置を取った。それを「ザマーミロ」と感じ、自業自得だと叫び、韓国を完膚なきまでにやっつけろという人たちは世の中にいて、そうした人たちはいろんな方法・手段でメデイアや社会に、ザマーミロのメッセージを寄せているようです。
本来であれば、そういう先鋭的な動きには強力なフィルターをかけて、注意を払いながら、取り上げる時には、注釈やその反対意見も添えて報じなくてはならないでしょう。
たとえば、今日の帰りのNHKのラジオでした。こちらにも、嫌韓メールが来たようでした。普通ならディレクターが止めるとか、そうしたメールを読む前に、「偏った見方もあるようですが」とか注釈をつけたりすればいいものを、そのまま流してしまっているのを聞きました。
内容としては、どんどん韓国を苦しめてやり、とことん規制をかけ、完膚なきまでにやってしまったらいいのです。というようなものでした。
私はクルマを運転していて、ズッコケそうになりました。
女性キャスターさん、そんなメールをそのまま読んでしまうのか! と、怖くなったりしました。「こういうのがNHKという公共放送の姿なのか、だったらNHKなんてなくてもいいなあ」と思えるくらい、偏った内容のメールでした。
ディレクターのミスなのか、意図的な読み上げなのか、外圧によって無理やりに読まされたのか、本当のことはわからないです。それくらい韓国を非難するだけの内容でした。
韓国と日本は、実は運命共同体なのだと思われます。人々の交流もすごいし、経済の交流・つながりだってすごいはずです。それを政治家の一存で、韓国の主要産業に大打撃を与える措置だ、とかいうふうにニュースが流してしまったら、そりゃ、一部の人たちは喜ぶし、それやれ! と叫ぶでしょう。
でも、それは間違っている。自分で自分の首を絞めることだと知りつつ、経済措置ということで、韓国の政府に揺さぶりをかけたつもりなんでしょう。
イランと米国もそうだけれど、ダダのこね合いであり、わからずやのぶつかり合いです。大人としての知恵はありません。
より高度な、大人としての関係を作って欲しいのに、どこの国とも作れていない。それを公共放送は本質を語らず、相手の非難ばかりを流す。
こんな不毛なことのために、月々二千円払っているのか。何だか、情けないです。せいぜいFM放送だけ聞くことにするかな。