甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

野坂さんちのネコたち

2024年04月25日 20時26分57秒 | 本読んであれこれ

 2011年の6月某日の野坂昭如さんちのネコの話です。

 わが家に二匹の猫がいる。オスとメスのきょうだい。オスの方をアルという。アルコールのアルである。メスはニコ。こっちはニコチンのニコ。ぼくの戒めのため、ぼくが命名。結構気に入っている。

 ということだそうです。ネコのこの話にキュンとしたので写してみますね。

 アルは弟、ややマザコン風。妻のそばを離れない。妻が出かけると、挨拶程度にぼくの部屋をのぞき、すぐ行ってしまう。滞在時間は短い。

 そのアルが、朝からわが周辺を離れない。ぼくの寝床を占拠、くたびれきって寝ている。実は、ニコに腫瘍が見つかり。手術をして昨日病院から戻ってきた。普段はケンカばかりするくせに、この騒動の間中、アルは心配し通しだ。ニャーニャーと鳴き続け、様子のおかしいことを告げて歩く。どうやら、夕べは戻ったニコに徹夜で付き添ったらしい。

 もちろん、ネコでもちゃんとわかることは分かります。というか、人間よりもはるかに敏感なんだと思われます。何もかもわかっている。だから、お姉ちゃんのそばにずっといてあげたみたいです。

 ニコは二階の妻のそばで寝ているようだ。アルは邪魔にならぬよう、そしてようやく安心したのか、数日の疲労から解放された如くびくともせず寝ている。目が覚めたら、彼の好物、かつおぶしをやろう。

 ということだったみたいです。つづきはまた今度打ち込んでみます。なんて、生きものって、助け合って生きているんだろう。そして、野坂さんも奥さんのおかげで原稿を書き、この連載を続けているようです。奥さんはやんちゃで酒飲みで、タバコ吸いの野坂さんを見守ってあげている。

 野坂さんも少し奥さんコン風です。というか、助け合って生きているみたい。何だかしんみりとホンワリしています。

★ 『絶筆』2019 新潮文庫より 野坂さんは2015年に亡くなっています。これまたシンミリではあるのです。

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