
今日、帰る時、夕映えがキレイでした。駅まで歩いて行くのであれば、どれだけ写真が撮れたものか……、残念ながらクルマの中で信号待ちをねらってコソコソっと撮るだけです。まあ、仕方がない。
街の中で西の空を見上げて、瞬時を刻むように撮るわけですが、いろいろと限界もあるので、今日のところの一番いいのはこんな感じです。
だから、どんないいことがやって来る、というのではないですけど、秋の一日の終わりに、こんな空を見せてもらえるなんて、有り難いことです。
この秋は、ものすごく頭のてっぺんが寂しくなってきて、心身ともに季節の移り変わりを感じてますけど、個人的な悩みは置いておいて、とにかく今、移ろいゆくとてもキレイな光を見せてもらえるのはステキでした。
一人で見ても、たくさんで見ても、ありがたいのは変わりません。それに、安部仲麻呂さんなら、日本も中国も同じ月だと思えただろうけど、夕映えとか虹みたいなものは、ものすごく局地的で、そこにいる人しか見られません。見た人がちでしたね。
だから、そのおすそ分けみたいにして、今日の夕映えを貼り付けました。

うちに2009年の5月からある、西村繁男さんの『やこうれっしゃ』という絵本、1980年から福音館から出ているロングセラーなんですけど、夏でも、秋でも、冬でも、こういうトワイライトの光の中に飛び込んでいく列車というのが、かつてはあったのだなと思います。
もう今は、ほとんど数えるほどしかなくて、絶滅間近の鉄道遺産だと思われますが、それを丁寧に取材した絵本でした。
どんなに鉄道好きな子どもがいたとしても、何だかのん気そうでいい感じだなと思ってもらっても、もうその子には乗るべき列車はありません。日本ではもう味わえない鉄道の旅でしたね。
そういうのを感じるためには、国を飛び出なくてはならないようです。
鉄道会社としても、もうそういう列車は走らせられないと思っているでしょうから、ただ絵本の中だけで味わうしかないのです。
仕方がない、昔を思い出したり、そういう鉄道小説を読んで、そういう空気を味わうしかありません。残念ですが、若い人の支持も得られないだろうし、永遠に消えてしまいました。
でも、とても楽しかったし、翌朝には、ものすごい時間がやって来てたんだけどな。