大阪で佐伯祐三展というのをやってるそうです。行きたかったけれど、この前に大阪に行った時には、行きませんでした。時間がありませんでした。
大阪に生まれた画家さんでした。
どんな人生を送られたのか、イマイチはっきりわかりません。本でも買えばいいのか、ネットで調べたらいいのか、どっちにしろ、経歴はわかるでしょうけど、息づかいは全くわかりません。
そんなのを知ろうとしたって、簡単なことではありません。もっと作品をたくさん見たら、それなりの気分になるでしょうけど、そんなにたくさん見られるチャンスはありません。一つか二つ、他の作家さんたちに混ざってポツンとあるだけでしょう。
荒々しい筆遣い、シンプルなテーマ、特に何かを伝えるというのでもなくて、ただそこにガツンと存在しています。
冒頭の絵は、「クラマールの午後」という題名だそうです。私んちの1980年の「太陽」3月号では佐伯祐三さんが描いた作品と実際の風景を比較するというもので、私は8月に3月号を買ったようです。何かきっかけがあったんでしょうね。阪神デパートで何かやってたんでしょうか。
山種美術館に所蔵されていて、クラマールというのはパリ南西近郊の町なんだそうです。ところが、そこにはこれに似た教会はなくて、パリ北西のオニーという町にそっくりの教会がある、というふうに書かれています。
いろいろ調べて、そうだったのかもしれない。
題名なんて、そんなに問題ではなくて、とにかく描きたいものを、カンバスに投げ込んだ、それで悪戦苦闘して作品が生まれた、ということです。
だったら、私も、ペイントで写してみました。もちろん、全く非なるものですけど、佐伯祐三さんの色づかいが気になりました。ペイントと油絵具では違うのだから、どんなに工夫しても無理なんだけど、色だけは近づけたかったけれど、それは無理でした。まあ、当たり前です。
それで、らくがきしてみたら、本物を見たい気持ちになりました。今みたいに世の中が浮ついた空気の時こそ、つまらない遊びで、何かに通じることができないか、また気が向いたら、やってみたくなりました。
40年前に買った「太陽」が役に立ちましたね。本は置いておくと、突然役に立つ時があるのかもしれないな。