いつもと同じくらいに帰ることにしました。でも、寄り道をするから、いつもと違う道を走ることにしました。
目的は、ブックオフで、ドナルド・キーンさんの本を探してみようと思いました。できれば110円の本だなから見つけたいと思っていました。
たまたま寄ってみたブックオフは、もう何年も行ったことがありませんでした。十年とか、それ以上とか、そういうことが簡単に起こります。何年もそばを通り、そこにあるのを知っていながら、全く没交渉となったところ、たくさんあるような気がします。
何となく生き方が変われば、関わる場所も変わっていきます。それは仕方のないことなんだろうけど、久しぶりに関わってみたら、アウェーになってたりします。
本屋なんだから、何年も変わらずそこにあるのだから、ずっとそばを走ってたのだから、店もそんなに変わってないのだから、ホームであってもいいのに、何だか違う。
今日の通勤でもそんなことを考えていました。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」という映画が何十年か前にありましたけど、あのどこにも居場所がなくて、何だか窮屈そうに生きてるみたいな若者たちが、何かきっかけを探してる映画があって、それは誰もがそうで、みんな必死で自分の居場所みたいなのを探すもんさ……とか何とか。
stranger、away、ここでないどこか、みんな居場所を探している。さて、このストレンジャーの反対語は? 日本語だったら、地元ピープルとか、何て言うんだろう。英語は不勉強でわからんなあ、和英辞典調べよとか思いましたっけ。
調べてみたら、「地元 local」「地元民 local people」なんてありますね。地元チームを応援します→I cheer the home team なんていうのがありました。もっとありそうだけど、何だか思ってたのと違いました。
そう、方丈記の冒頭に、建物はそんなに変わらないのに、住んでる人、出会う人はみんな知らない人になっている、みたいな言い方がありました。きっと、そういう感じで、しばらく間隔があくと、見慣れたところでも、だれでも疎外感やら違和感、なじめなさ、みたいなのを味わうのだと思われます。
これを乗り越えて何度も行くと、ホーム感覚が湧いてくるんでしょう。でも、そんなにブックオフに親しんでも、何だか私みたいなものには面白さが感じられません。「あっ、こんなところに、あの本があるなんて、しかも安い!」なんていう驚きを期待しても、ダメでしたね。
結局、キーンさんの本は見つけました。ものすごく字が詰まっていて、息苦しそうでしたけど、不思議なことに読んだら読める、みたいになってもらえるとうれしいです。450円と税金プラスでした。何だか、ブックオフのありがたみがありませんでした。
もう、そんなのを期待している方が間違っているのだと思います。せいぜい価値あるものにするために、本読みをしていきたいです。おもしろいことを見つけたら、また抜き書きしようと思います。前の自伝は、私が求めてた世界でしたけど、さあ、どうなんだろう?
お月さんはそれなりに欠けて来ました。寒さは少し前ほどではありません。でも、油断していると、また雪も降るから、なるべく穏やかになるように祈って過ごします。木は切らないようにします。アジサイの植え替えはしたいんだけど、果たしてできるだろうか。
明日のことは、明日にならないとわからないですね。そうします。