甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

フレップ・トリップ 北原白秋

2024年09月06日 20時48分01秒 | 古本探しの旅

 近ごろずっと、レスピーギのローマ三部作を聴いています。CDの最初が「噴水」です。四分近くあるのにちっとも聞こえてこなくて、「あれ、故障かな?」と思うのですが、第1曲の「夜明けのジュリアの谷の噴水」はずっと聞こえてこない感じです。これでコンサートだったら、どうなるんだろう。「ボレロ」なら、ずっとリズムを刻んでるからお客は少しずつ曲に合わせて心を開いていけばいいんだけど、この噴水は突然第2曲で鳴りだすから、何だかびっくりします。最初がこんなに音が出てないのはとにかく驚きです。

 CDは1963年から1976年の録音ということだけど、ついこの間みたいな気持ちにはなるけど(クラシックの世界ではこの当時でもいい録音はありますね!)、実はついこの間というには、少し遠いのかもしれない。けれども、考えてみれば、そんなに昔ではない感じもします。この遠近感は特別です。普通の音楽なら、一年でも古くなるのに、この世界は数十年までは同一空間にあるような気がします。

 この何十年も、これからの何十年も、クラシックの世界では、時間を飛び越えて、ものすごく昔、将来も、どれもこれも近くにあって、いつの世でも、作曲家の作り上げたものが瞬間瞬間によみがえって来くるでしょう。



 演奏された時間と、曲が作られた時間と、自分たちが今聴いている時間と、いろんな時間が交錯しながら、過去から現在、未来につながっていく。今の瞬間がそこにあって、私たちは聴いているんだけど、あっちこっちトリップしてしまうんですね。たいしたもんだ。


 一昨日から、三重県津市の唯一のデパートの松菱百貨店で、三重県の古本屋さんが集まった古書市がスタートしました。中心となる本屋さんたちが、よそのところでも活躍していて、そのつながりで、富山・名古屋・丹波篠山・神戸・宇陀市・大阪・京都などからも参加してもらって、盛大に繰り広げられています。

 よくぞまあ、いろんなところから参加してもらいましたね。そして、県内の古本屋さんも、津から尾鷲までの南北、伊賀市・名張市のお店と、結集してこのイベントを盛り上げようとしているようです。

 名古屋や京都よりも尾鷲の方が距離はあるんじゃないだろうか。大したものです。

 私たちは夫婦で出かけて、奥さんは絵本一冊。私は北原白秋さんの樺太旅行記の「フレップ・トリップ」(2007岩波文庫←1928単行本)と池内紀先生の「ちょっと寄り道美術館」(2003光文社文庫)の2冊を買いました。

 ああ、また旅ものですね。本当に旅の文章って好きなんですね。旅に行けないから、その代償行為なのかな? それもあるけど、単純な興味本位かな?

 ちっとも読めてないけど、好きなところに文章で行きます。そういうオッサンなんですね。音楽といい、本といい、旅ばっかりです。とっとも落ち着いて何かをする、ということがないようです。ダメですね。すぐヘトヘトになるくせにね。

 昨日、少しだけ読みましたけど、船で樺太に向かうようでした。ゆったりとしたもんです。旅はそうじゃなきゃいけないです。

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